小学生が読解力を身につける勉強法を解説します。
近年日本の読解力の低下が問題になっています。
2019年末に国際学習到達度調査(PISA)で発表された日本の「読解力」は8位から15位に下がってしまいました。
これ受けて多くのメディアが「読解力」を取り上げたのを覚えていらっしゃるのではないでしょうか?
あの松本人志さんもTwitterでコメントしていましたね。
日本の子供達の読解力が世界的にみて劣ってるらしい。。。
学校の授業に大喜利を取り入れるのも良いかもよ。マジで。— 松本人志 (@matsu_bouzu) December 3, 2019
小学生が読解力を身につける為には
・読書をする
・親子の会話を増やす
・要約する力を身につける
・人に正しく伝える力を身につける
ことが有効です。
ただ、読解力が下がっていると急に言われても
・何をすればいいの?
・家庭でできることを教えて?
・そもそも読解力って?
と分からないことも多くあります。
そこで今回は小学生が読解力を身につける勉強法を解説します。
この記事の目次
読解力とは?
まず読解力について解説をしていきます。
大前提として、読解力と言っても「PISA型読解力」と「日本独特の読解力」には違いがあることを認識しておきましょう。
冒頭でお伝えした日本の子供の読解力が8位から15位に下がったのは「PISA型」の読解力です。
国際学習到達度調査(PISA)が提示する読解力の定義は、
「自らの目標を達成し、自らの知識と可能性を発達させ、効果的に社会に参加するために、書かれたテキストを理解し、利用し、熟考する能力」
出典元:文部科学省:読解力向上プログラム
つまり読解力とは、
・文章の内容を「取り出す」だけでなく「理解・熟考・解釈」ができること
・文章を「読む」だけでなく文章を利用して自分の意見を論ずるなど「活用」ができること
・文章の内容だけでなく「構造・表現法」も理解できる事
・文章だけでなく「図、表、グラフ」からも読み取り活用できる事
を示す力です。
一言で、読解力を説明すると
「文章やグラフを読めるだけではなく、理解したうえで自分の意見も言えること」
となります。
次に子どもの読解力が低下している要因を考えていきましょう。
読解力が低下している原因は?
子供の読解力が低下している要因はいくつかあります。
よく「読書量が少ないからだ!」という意見もありますがそれだけが要因ではないのが実情です。
読解力の低下の要因は
・読書「量」不足
・読書内容の「理解力」不足
・読書内容の「アウトプット」不足
この三つが要因であると考えられます。
読書不足が要因の一つであることは確かにあります。
ただ、単純に読書を増やせばいいというものではなくて、
本を読んだ内容を「良質なアウトプット」に変えていくことが読解力の向上に繋がるのです。
例えば読んだ本の内容を親子で話し合うことで、理解度も高まり、本の内容を考察することもできます。
読解力がないとどうなる?
情報過多の時代においては「読解力が低いこと」は大きなリスクになりえます。
例えば、読解力が低い事で
・文章を正しく理解できない。
・図やグラフを正しく読み取れない。
・フェイクニュースに騙されてしまうことも
・人の意見を理解できず、的外れな会話をしてしまう
という事が起こり得るでしょう。
先程お伝えした通り、読解力とは文章を読み取れるだけではありません。
グラフや図を正しく読み取る力も読解力の一つです。
また読み取った内容を元に自分の意見を話すということも必要になります。
正しい情報をもとに自らの考えを伝えられるということは、今後のAI社会においては必要な能力です。
テクノロジーが進歩し情報も溢れかえっており、フェイクニュースも増えています。
そんな時に正確な情報をもとに判断できる力も読解力と言えるでしょう。
読解力の必要性はこちらの本も/
読解力は他の教科にも役立つ!
子供の読解力を高めることで「国語力」を大幅に向上させられるでしょう。
ただ読解力の影響はそれだけではありません。
読解力と言うと「国語」だけというイメージをお持ちの方も多いですが、実際には算数(数学)理科、社会など多くの強化に影響をもたらしています。
算数の文章問題や理科のグラフや図から読み取る力、社会の歴史的背景から想像する力など国語以外にも多くの影響を与えるものです。
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小学生で英語を「自宅学習」する時の3つコツとは?無料・有料編で勉強法も解説!
次に読解力を身につけるために家庭でも出来る事を解説していきます。
読解力を身につける5つの勉強法とは?
子供が読解力を身につけるためにはどのような勉強方法がいいのでしょうか?
5つの方法で確認していきましょう。
1.読書を習慣にする
読解力を身につける方法一つ目は「読書習慣」です。
先程、読解力の要因は読書量だけではないとお伝えしましたが「読書」も大きな影響を与えます。
読書の量を増やすことで、
・語彙力の向上
・表現方法の学習
・知識量の増加
など多くのメリットがあるでしょう。
まずは教科書2ページ分程度でもいいので毎日継続的に行い習慣にするのがおすすめです。
そして、子供が読書をするときは「誰が、どうなったか?」を把握しながら読み進める事が読み方のポイントになります。
これを把握しながら読んでいくだけでも「読解力」は格段に上がっていくでしょう。
2.声に出して本を読む
二つ目の読解を身につけるコツは「声に出して本を読む」事です。
人間は文章を読むときに、声に出さない場合、単語のみが抽出されインプットされる事があります。
例えば「私」「昨日」「嫌い」「ピーマン」「食べた」というように単語だけでも意味は何となく分かるでしょう。
ただ本来は「助詞」「接続詞」「句読点」も正しく認識しなければなりません。
その理由は、
・私は昨日も嫌いなピーマンを食べた
・私は昨日は嫌いなピーマンを食べた
このように「も」と「は」の一文字の違いですが、主人公の感情は大きく異なってきます。
これを把握するのが「読解力」です。
その為、子供の頃はこれを正しく認識する為に「音読」をして正しく文章を読む力を身につける必要があります。
おすすめは同じ文章でも「3回声に出して」読むことです。
3回読むことで気付かない事に気付けることもあります。
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3.本を要約する
3つ目の読解力を身につけるコツは「本を要約すること」です。
読書量を増やして音読が習慣になったら次は「本の要約」を行ってみましょう。
本を要約することで文章の正しい認識を深めることが可能です。
また「要約する」と意識すると何度も文章を読み返す為、読解力も上がります。
小学校低学年の場合は、簡単な読書感想文でも構いません。
最初は、400字程度に要約していくのがおすすめです。
親御さんのチェックがあてもいいですが初めのうちから厳しく指摘しすぎると読書が嫌になってしまうこともあるので、最初の頃は要約できたことを褒めて描き切れていないところは「○○はどうなったの?」と口頭で質問して気付かせてあげましょう。
要約は練習をすればどんどん上達するものです。
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4.子供が人に本の説明をする
4つ目の読解力を身につけるコツは「誰かに本の説明をする」事です。
具体的には読んだ本を「兄弟や家族」に内容や感想を説明することで理解度を深めることができます。
ラーニングピラミッドにもあるように人は講義を受けるよりも「教えること」が最も学習定着になるのです。
人に本の内容を伝えていくことで自分がちゃんと理解しなければという意識も生まれ、より効率的に学習ができます。
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5.親子の会話を増やす
5つ目の読解力を身につけるコツは「親子で会話を増やす」ことです。
具体的には親子で一緒に本や映画、漫画を読み感想や意見を話し合ってみましょう。
その時の親子の会話コツは
・「誰がどうなったのか?」
・「(子供が)なぜそう思ったか?」
の2点を聴く事です。
この二つで「事実」と「読者の感想」を把握する事ができます。
子供は自分の意見を根拠を持って伝えていくことで読解力が身につきます。
最初は簡単な漫画などで初めてもいいかもしれません。
普段から親子の会話を増やしてみてください!
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次に小学生の読解力向上に役立つ本や問題集を解説します。
小学生の読解力におすすめの本・問題集は?
小学生が読解力を身につける為に読んでおきたい本や問題集を解説します。
親御さん向けの本と子供におすすめの問題集がありので試してみてください!
小学生のための読解力をつける魔法の本棚
1つ目は小学生のための読解力をつける魔法の本棚です。
読者の方の中には「読書はしているけど、読解力が身につかない」と考えている方もいらっしゃるのではないでしょうか?
そんな時は、読み方の工夫が必要です。
この本では、読解力が身につく本の読み方を解説してくれます。
筆者が良いなと思ったポイントは、本書では、読解力は勿論ですが、生活のなかでの判断力や思考力を高める基本となる考え方も紹介していることです。
読解力だけでなく国語力そのものを向上させる一冊になるでしょう。
小学校6年生までに必要な作文力が1冊でしっかり身につく本
2つ目は「小学校6年生までに必要な作文力が1冊でしっかり身につく本」です。
小学1年生から使えるということで人気の国語の参考書になります。
子どもにいきなり作文を書きましょうというと10分20分書き始められず鉛筆が進まない事はよくある事ですよね。
この本では、そんなことがなくなる作文の書き方が身につきます。
たとえば、本書で取り上げられている助詞を使わずに知っている単語だけで文章を作る練習も非常に効果的です。
それによって、子どもは楽しみながら作文が書けるようになります。
他にも、わんわん・にゃんにゃん言葉で作文を書く練習など独自のやり方で子供達が驚くほど文章を書けるようになってしまうこともあるほど。
まさに作文の「型」が身につく練習ができます。
読解力を身につける為に、書く力を身につけるにはこの一冊で充分かと!
ふくしま式「本当の国語力」が身につく問題集(小学生版)
この本は国語力=読解問題という常識を覆す一冊です。
本書では「国語力=論理的思考能力」というコンセプトを打ち出しています。
むずかしい読解問題集をやる前に、この一冊を徹底的に繰り返すだけでも相当な実力アップが期待できるでしょう。
中学受験を考えている家庭でも多く使われる問題集です。
ぜひ試してみてください!
実践した家庭の体験談は?
上記の読解力を上げる方法を実践した家庭の体験談を解説していきます。
いい評判は?
「文章をしっかり把握して意見できるように!」
1年ほど前から一日数ページから読書をさせるようにしました。
読書をした後は簡単な感想や要約をノートに書くようにしています。
今では歯磨きをするように本を読んでいます。
その影響もあって文章の内容をしっかり把握して親子で意見交換できるようになりました。
(小学5年生保護者)
「図やグラフから読み取る力が増した!」
読解力を高める訓練をしてから国語力だけでなく算数や理科の理解力も高まりました。
実際に学校のテストの点数も上昇しています。
特に苦手だったグラブ問題も得意分野に変わってきたので良かったです!
(小学6年生保護者)
「本を読んで自分の意見を言えるようになってきた!」
読解力向上の一環として「本を読んだ感想」を親子で話す事を習慣にしています。
普段から自分の意見を伝えることで「考える力」は身についたなと実感しています。
また語彙力も身についたのも良かったです。
(小学4年生保護者)
小学生の学習には勉強アプリもおすすめです。
微妙な評判は?
次に上手くいかなかった失敗談も確認しておきましょう。
「長期的な訓練が必要..」
読解力を高める為にたまに読書をさせていたのですが、伸びているのか伸びていないのか実感がわきません。。
やはり長期的な訓練が必要なのだろうなと。
また、今は2週に一度ほど読書をしているのですが「毎日の習慣」にしないといけないなと感じました。
(小学5年生保護者)
「いきなりハードルが高いことをさせるのは良くない」
普段読書をしない子に厚めの本を買って読書をさせるのは無理がありました。。
最初は薄くて理解しやすい本やドリルをやっていくのがおすすめです。
子供の読解力はチャレンジタッチもおすすめ/
小3からチャレンジタッチを使ってみた感想!特長・デメリット・評判は?
まとめ:読解力の向上は習慣が大切!
子供の読解力を向上させる方法を解説してきました。
読解力を向上させるためのポイントは、
・読書量を増やす
・音読をして理解を深める
・要約して誰かに説明する
・親子で感想を話し合う
です。
ただ、これらは時々やるだけでは効果が薄いでしょう。
最も効果的なのは「習慣化すること」です。
最初は少ない時間、簡単なレベルのものでも構いません。
できれば毎日継続して行っていくことです。
ぜひ試してみてはいかがでしょうか?
子供の読解力はこちらの本も/
読書が子供にもたらす効果とは?子供に読書習慣をつけるコツも紹介!
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