長引くコロナ禍の中で、行動が制限され活動量が減り体重が増えてしまったというのは大人だけではなく、子どもにもいえることです。
体重増加の仕組みは単に消費カロリーより摂取カロリーが上回ることが原因です。
「最近、子どもの体格が変わってしまった」
「子どもの食生活は何に気をつければよいの?」
「子どももダイエットをした方が良いの?」
成長期の子どもの体重管理に悩む人も多いのではないでしょうか?そこで、今回は、「子どもの食事制限はするべきか?」解説していきます。
この記事の筆者は、管理栄養士・母子栄養指導士のnicottoが担当。約9年間に渡り保育園勤務にて、離乳食・幼児食・アレルギー食・食育活動に携わる。現在は保育園給食の現場指導やコラム執筆、母子栄養協会講師などを努め、乳幼児食はもちろん学童食から妊産婦食までの食事指導やアドバイスを行っている。2児の母。
この記事の目次
子どもに食事制限は必要なの?
子どもが周りの子と比べ、太り気味になってくるとうちの子は肥満ではないだろうか?と心配する親御さんは多いと思います。
しかし、成長期の子どもに対し、食事の制限は本当に必要でしょうか?
そもそも子どもが太り気味だからといい、親の判断で食事の制限をしてしまうと何が起こるでしょうか?
子どもの食事制限は基本的にしない
基本的に成長期のカロリー制限は必要ありません。
子どもは一食を抜くだけでも1日に必要な栄養素を満たすことが出来なくなります。
特に1食で食べる量の少ない幼児期に食事制限をしてしまうと、必要な摂取カロリーが不足してしまいます。
体重が増えたからといい、親の自己判断で子どもの食事を制限してしまうと、1日に必要なエネルギーや栄養素が足りなくなり、成長期の子どもの身体に不調や貧血、精神面でのダメージが出てしまう恐れもあります。
今すぐには身体に不調がでなくても今後、成長するにつれ、何かしらの不調が身体に出る可能性もあります。
体重増加が著しい場合には医療機関に受診を
子どもの体重が増えだしたらと思ったら、まずは母子手帳にも記載されている「成長曲線」で子どもの発育を確認しましょう。
出展元:厚生労働省
他の子に比べ、うちの子は・・・と思いがちですが、他の子と比較をするのではなく、成長曲線をしっかりと確認し、子どもの適正体重を知っておくことも重要です。成長曲線の範囲内であれば、基本的に食事制限を行う必要はありません。
しかし、成長曲線を大きく外れている場合や体重増加が著しくみられる場合(1年に3㎏増加するなど)には自己判断で食事制限を行うことはせず、必ず医療機関を受診しましょう。
幼児期や学童期の肥満は、将来の肥満にもつながり生活習慣病の発症率も高くなります。
今のうちから、医療機関と相談し対策を取っていきましょう。
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次に普段の子供の食事で気を付けたいことを解説します!
食事で意識したいこと
確かに子供には食事制限が必要ありませんが、必要でないからといって、なんでも好きなだけ与えてよいかというと決してそうではありません。
体重が増えるメカニズムは消費カロリーよりも摂取カロリーが上回ることで体重増加につながります。
もちろん、身体を動かすことは大切ですが、近年、コロナの影響で子どもの運動不足や体力不足は感じられるところです。
食事の内容を見直そう!!
運動などで身体を動かし、カロリーを消費することが最もな方法ではありますが、なかなかそうはいっても難しいことも・・・。
その際には食事の内容を見直してみませんか?
毎食、油っぽいおかずになっていないか?味付けは大人に合わせ、濃いものになっていないか?
子どもの好むものばかりに頼りすぎて、野菜が少ししか食卓にならんでいないか?間食がやたら多くないか?
何か1つの食べ物に頼るのも良くないです。
様々な食品を組み合わせて、食事内容をバランスの良いものへと見直していきましょう。
特に、使用食材が少ない単品メニューばかりが食卓に並ぶことは、栄養の偏りにもつながります。
具だくさんの汁物をつけるなど工夫をしましょう。
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噛み応えのあるものを取り入れよう!
よく噛むことはあごの発達を促すだけではなく、脳神経に働き脳の働きも活発にします。
また、食事をよく噛んで食べることで満腹中枢を刺激し、食べすぎや肥満を防ぐことも出来ます。
さらに、噛むことにより唾液がたくさん出て虫歯予防にもつながりますし、唾液が消化吸収の手助けとなり、栄養をたくさん吸収してくれます。
成長期の幼児期、学童期にはよく噛むということは非常に大切になってきます。
高脂肪の揚げ物の多い洋食より和食の方が野菜や海藻、きのこなどの噛み応えのある食品が多く摂取できるためにおすすめです。
他にもよく噛むことで早食いを防ぐことが出来、血糖を徐々に上げていくため太りにくい身体にもなります。
噛み応えのある食材の他にも、食材を大きく切ることもよく噛むことにつながる1つの手です。
次に年齢別におすすめの間食を紹介していきます!
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年齢別おすすめの間食
間食も大切な食事の1つです。
間食と聞くと、甘いものを思いがちですが決して「間食=甘いもの」ではありません。
1食の食事量が少ない子どもにとって、間食は1日の必要エネルギーや栄養素を補うものです。
特におやつのだらだら食いは食事にも影響を与えます。
「空腹は最上の調味料」という言葉があるように、空腹でご飯を食べることにより、より一層、日々のご飯が美味しく感じられ、食事を満遍なく食べることが出来、満足感も得られやすいです。
そのため、間食の頻度も減ることにつながり、規則正しい食習慣を身につけることが出来ます。
また、おやつのだらだら食いは虫歯になるリスクも高めます。
虫歯によって、食事への影響が出ることも考えられ、しっかりとした食事が出来なくなることにもつながります。
間食も含め、食事内容がバランスの良い内容になっているか確認してみましょう。
幼児期
一食の食事量が少ない幼児期の間食は、食事で足りない栄養素を補う役割を果たします。
間食もしっかりと栄養価の高いものとなるようにしましょう。
・おにぎり
・さつまいも
・ヨーグルト
・果物
・せんべい
・チーズ
学童期
学童期になっても1日の食事で補えきれないものをおやつとして与えると良いです。
特に成長真っ只中の学童期にはカルシウムや鉄、ビタミンがたくさん必要になってきます。
このような栄養素を含む食品を間食としましょう。
・小魚
・チーズ
・ヨーグルト
・干しいも
・バナナ
・おにぎり(雑穀米を混ぜることで、噛み応えがありミネラルや食物繊維も摂れます)
・牛乳
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次についつい食べ過ぎてしまうときの正しい対処法を確認していきましょう!
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ついつい食べすぎてしまうときの対処法は?
成長真っ只中の子どもたちは、食欲旺盛でついつい食べすぎてしまうことも・・・。
親としては我が子にお腹いっぱい食べてもらい半面、こんなに食べても大丈夫かしら?と不安いになることもあると思います。
いつもたくさん食べてしまう子どもたちにおすすめの対処法をご紹介します。
汁物を活用しよう
バランスの良い食事を作る上で最もおすすめなものが汁物です。
汁物に足りないと思う栄養素の食材を入れるだけで簡単に補うことが出来ます。
また、子どもにとっては苦手とされている野菜も、汁物に入れることでかさが減り、食べやすくなり普段食べない野菜も食べてくれることもあります。
さらに汁物は、熱に弱い栄養素も汁の中に溶け込むので汁を飲むことによって摂取することが出来ますし、汁を飲むことで満腹感も得られ、お腹が落ちつき食べすぎ防止にもつながります。
ついつい食べすぎてしまう場合には、汁物を活用することも良いでしょう。
バランスの良い食事と聞くと、一般的に「一汁三菜」や「一汁二菜」を思い浮かべがちですが、毎日毎日、品数を作ることは大変ですよね。
汁物を上手に活用し、様々な食材が摂れるよう工夫してみましょう。
おかわりは決まりを作ろう
ついつい食べ盛りの成長期の子どもだからといって、好きなものばかりをひたすらおかわりするというのは、食事のバランスが崩れ、肥満にもつながってしまいます。
だからといって、おかわりを無理やり止めたり、食事内容を満足いかないものにすると子どもはその反動で親の見ていないところで「隠れ食い」などをしてしまうこともあります。
おかわりをする際には、好きなものばかりに偏らないように家庭でのおかわりのルールを決めると良いでしょう。
主菜に野菜を混ぜるなど、食物繊維が多いものを組み合わせることで満腹にもつながります。
バランスの良い食事を心がけ、適量を守り摂取することが大切です。
また、だらだらと食事をすることも良くありません。
食事をする際にはテレビなどは消して、食事に集中する環境づくりをすることも必要です。
特に、幼児期の間は満腹という感覚が未発達なこともあります。
時間を決めて食事をすることも時には大切でしょう。
学童期になるに連れ、習い事などにより、家族で食卓を囲む機会も減ってしまいます。
子どもに寄り添い、声掛けをしながら家族一緒にご飯を食べることも食べすぎ防止に有効的です。
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まとめ:食事制限より食事内容の見直しを
子どもの体格が気になり始めたら、まずは成長曲線を確認してみましょう。
実際に、子どもが太ったと感じても、実は普通体系だったということも大いにあります。
体格の認識のずれにも気付けるチャンスです。
子どもへの食事制限は栄養素不足につながる恐れがあるので基本的には行いません。
その代わり、食事内容はバランスの整ったものになっているか見直しましょう。
なにかに偏った食事になっていないか、味の濃いものばかりになっていまいか、油っぽい食事になっていないか確認してみましょう。
栄養バランスの良い食事を作ることが難しい場合には汁物を活用しバランスを整える手もあります。
ママが無理なく、毎日の食事作りができると良いですね。
この記事の筆者は、管理栄養士・母子栄養指導士のnicottoが担当。約9年間に渡り保育園勤務にて、離乳食・幼児食・アレルギー食・食育活動に携わる。現在は保育園給食の現場指導やコラム執筆、母子栄養協会講師などを努め、乳幼児食はもちろん学童食から妊産婦食までの食事指導やアドバイスを行っている。2児の母。
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