『スポーツをする子供のサポートする食事はどんなもの?』
『運動をする子にはどんな食事がいいの?』
『効率よく栄養を取り入れる食事のコツは?』
と気になることもありますよね。
今回は、管理栄養士・母子栄養指導士の筆者が、スポーツをする子どもにおすすめの食事法を解説します。
そろそろ東京オリンピックが開催され、親子でスポーツを観戦する機会も増えてきます。
一般的に勉強も夏休みが勝負と言われるように、夏はスポーツの面でも大きく子供たちが力を伸ばす時期です。
日々、成長をとげる子どもの能力はみるみるうちに上がっていきます。それに負けない身体作りをしておくことがこの時期には必要となってきます。
食事の作り手であるお母さんも、お子さんの「食事コーチ」として、お子さんの頑張りを食事から一緒に応援していきましょう。
今回は強い体を作るための基本的な食事テクニックについてスポーツ別に解説していきます。
この記事の筆者は、管理栄養士・母子栄養指導士のnicottoが担当。約9年間に渡り保育園勤務にて、離乳食・幼児食・アレルギー食・食育活動に携わる。現在は保育園給食の現場指導やコラム執筆、母子栄養協会講師などを務め、乳幼児食はもちろん学童食から妊産婦食までの食事指導やアドバイスを行っている。2児の母。
この記事の目次
食事とスポーツは関係が深い
スポーツをする上で身体に大きく関わってくるものが「食事」です。
いくら練習をして技術を得たとしても、基盤となる身体づくりが出来ていないと、なかなか思うようにスポーツで成績を上げることは難しいでしょう。
例えば筋肉をつけるには「良質なたんぱく質」が必要となってきます。
スポーツと食事は切っても切れない関係性でもあるため日々の食事を重要視していくことが大切です。
食事が将来の身体を作る?!
「からだは食べたものでできている」と言われるように、将来成功する子は子どもの頃の食事が大きな基盤を作り上げています。
子どもの健康を守るのは食事の作り手である親であり、この食事こそがスポーツにも大きく関係しています。
例えば、WHO(世界保健機関)は「First 1000 days」と受胎から満2歳の誕生日までの適切な栄養が将来の健康維持に重要であると提言しています。
それほど「食事」というものはヒトの身体を作るうえでより一層、大切になってきます。
スポーツが強くなりたいなら、まずは日頃の食事について見直してみましょう。
食事と運動量のバランスを考える!
スポーツがうまくなりたいからといって、スポーツの練習量のみを上げてもなかなか成果を出すことは難しいでしょう。
なぜならば、運動量に見合った食事もしないと身体はついていきません。
ここでポイントなのが運動量に合った食事をしていくことが大切になります。
成長真っ只中の子どもにとっては、運動量分の食事を食べることはもちろん、発育や発達のためのエネルギーを食事から確保することも必要となってきます。
運動をして「動いた分だけ食べる」という考え方では、発育や発達を補う食事量を無視した考えとなり、貧血や発育不足、疲労骨折など身体に不調が現れることもあります。
必ず成長分に必要なエネルギーと運動をするために必要なエネルギー消費が、食事によるエネルギー摂取を上回らないようにしっかりと食事を摂っていきましょう。
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ゴールデンエイジ期を逃さないようにしよう!
スポーツの黄金期「ゴールデンエイジ」とは成長年代のどの時期に、どの体力要素が伸びやすいのか指標で表したものです。
「スキャモンの発育曲線」によると、神経系の発達は生まれてから6歳頃までに急成長し、9~12歳ごろには発達がほぼ100パーセント形成されます。
神経系はバランス能力や巧緻性といった動きの「うまさ」を身につける能力に必要な要素です。
よって、12歳までに様々な動きを経験させておくことが重要だと考えられます。
このゴールデンエイジ期にも食事は非常に重要です。
出典元:SGS総合栄養学院
プレゴールデンエイジ(5歳~8歳頃)
5歳ごろになると、コーチや親の言っている意味やルールの理解できるようになり、自分で思うように身体を動かすことができます。
神経系は6歳ごろまで急成長しているため、スポーツを取り組み始めるには最適な時期です。
様々な動作を経験させるために、1つのスポーツに限定せずに様々な運動を行なわせることも大切です。
無理に押し付けるのではなく、遊び感覚で行っていくことも将来へのスポーツの選択肢の幅が広がる1つです。
まずは身体を動かすことの楽しさを教えながら、子どもが運動を楽しむきっかけ作りをこの時期行えると良いですね。
ゴールデンエイジ(9歳~12歳頃)
「スポーツの黄金期」と呼ばれるこの時期に、運動へ真剣に取組みと将来のスポーツの成績に大きく影響します。
ゴールデンエイジは一生の中でも最も運動神経が発達し、運動能力も急速に向上する時期です。
ゴールデンエイジ期に発育・発達に適した運動指導や食事管理を行えば、将来活躍できるスポーツ選手を作ることも可能かもしれません。
体を動かすというのは、常に脳と筋肉の情報のやりとりであるためエネルギーは常に消費します。
それを補うエネルギーを食事から補うことも大切なことです。
ポストゴールデンエイジ(13歳~15歳頃)
ゴールデンエイジを過ぎると、身長が急速に伸び第二次成長期に入ります。
身体の大きな変化と共に柔軟性も低下する傾向にあるため、運動神経とのアンバランスが生じ、運動の成果がなかなか見られないこともあります。
この時期が終わると身体の急成長は止まり、ほぼ大人と同様の身体になります。
高校生に入ってすぐに筋力トレーニングが取り組めるように、準備段階としてこの時期は自分の身体の変化に慣れていきましょう。
さらにこの思春期が終わるまでに骨を強くしておく必要があります。
残念ながら大人になってから骨量を増やすことはできません。
よってこの時期までにしっかりと身体を動かし、規則正しい生活とバランスの良い食事を心がけておく必要があります。
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スポーツ別の必要な栄養素の違いについて
身体に必要な栄養素をバランスよく食事から取り入れることは大切です。
成長するために必要な栄養素も考え、日ごろの食事からバランスを考えたいものです。
実は競技の種類によって必要な栄養素は異なります。
筋肉の使い方や競技時間で大きく異なるため、どのようなスポーツに、どのような栄養素が必要か知っておきましょう。
持久力系(長距離走、水泳など)
持久力系のスポーツは特に長時間の運動によって、エネルギーの消費量が非常に高くなります。
エネルギーの主材料になる「糖質」をしっかりと主食から摂る必要があります。
さらに糖質がエネルギー源として身体で使われるためには「ビタミンB1」が必要となるので合わせて摂取しましょう。
また、持久力系のスポーツをする人は鉄欠乏貧血になる人も多いです。
大量の汗からも鉄分はでているので、しっかりと「鉄分」が含まれる食品も摂りましょう。
鉄分は「ビタミンC」と摂ることで効率よく身体に吸収されます。
\必要な栄養/
・ビタミンB1:穀類の胚芽、豚肉、レバー、うなぎ、ブリ、カツオ、豆類など
・鉄:赤身の肉類・魚類、あさり、豆類、ほうれんそう など
・ビタミンC:果物、野菜など
【学童期】摂取したい栄養素はカルシウムと鉄!栄養士がおすすめする食材と役割を解説!
瞬発力系・筋力系スポーツ(短距離走、柔道、レスリング、体操など)
強い筋力が必要となるスポーツのため、食事は非常に大切になってきます。
筋肉を作るには「たんぱく質」が欠かせません。
良質なたんぱく質が毎食摂れるよう心がけます。
たんぱく質は20種類のアミノ酸から構成されており、そのうち8~9種類は体内で作ることが出来ないことから、食事から補うことが必要となってきます。
これを「必須アミノ酸」と言います。
良質なたんぱく質とは、この必須アミノ酸が食品にどれだけ含まれているかということで判断されます。
必須アミノ酸が多く含まれている食品には肉や魚、卵、大豆・大豆製品、牛乳、乳製品などがあります。
必須アミノ酸を含む食品を2種類以上を組み合わせた食べ方をすると、異なるアミノ酸を数多くとることが出来るためたんぱく質をしっかりと摂ることが出来ます。
また、身体のエネルギーが不足すると、筋肉を壊し不足したエネルギーを作ってしまうので、食事からエネルギーをしっかりと摂ることが大切になります。
混合系スポーツ(サッカー、野球、テニスなど )
長い試合時間の中、瞬発力と筋肉を必要とするプレーを要するスポーツでは「糖質+ビタミンB1」と「たんぱく質」の両方が非常に大切になってきます。
身体作りはどんなスポーツを行う上でも非常に大切となるため、バランスの良い食事をとり、休息は十分に摂ることを心がけましょう。
毎日の食事を簡単に栄養価UPするコツ
毎日の食事を栄養バランスよくしなくては・・・と悩んでいる方も多いはずです。そこで今回は普段の食事が簡単にバランスよくなるコツをご紹介します。
乾物を利用しよう
乾物の良いところは安価で比較的手に入りやすいところです。
さらに、非常に栄養価も高いことがうれしいです。
例えば、切り干し大根にはカルシウムやカリウム、葉酸、食物繊維が多く含まれています。
さらにひじきにもカルシウムや食物繊維が多く含まれています。
これらの栄養素はどれもバランスの良い食事を作る上で欠かせない栄養素です。
子どもにとって、なかなか食べづらいイメージのひじきかもしれませんが、ひじきご飯やハンバーグに混ぜ込むなどすると、案外すんなり食べてくれることもあります。
ぜひ、試してみてくださいね。
さらに、乾物の良いところは保存が効くところです。
作り置きし、冷凍すれば常備菜の1つともなるのでおすすめです。
足りない栄養素は汁物で補おう
食事を作るうえで、足りないと思う栄養素の食材を汁物に入れるだけで簡単に不足していた栄養素も補うことが出来ます。
また、子どもにとっては苦手とされている野菜も、汁物に入れることでかさが減り食べやすくなります。
さらに汁物は、熱に弱い栄養素も汁の中に溶け込むので汁を飲むことによって摂取することが出来ます。
バランスの良い食事と、品数を作らなくては・・・。と思いがちですが、汁物を上手に活用し、様々な食材が摂れるよう工夫することも良いでしょう。
補食を取り入れよう
子どもは胃が小さいため、一度に食べられる量にも限界があります。
そのため、一度の食事で食べきれない分は「補食」として食べることも必要となってきます。
特にスポーツをしている子どもは補食は大切な食事の1つととらえ、1日の必要エネルギーや栄養素を補える内容としましょう。
脂質は胃にとどまる時間が長いので、油脂を使った料理は控えめが良いでしょう。
エネルギー確保のためには糖質が豊富なおにぎりやや消化吸収の早い果物がおすすめです。
おにぎりがおすすめな理由はおにぎりにいろいろな具材を混ぜることにより、糖質以外の栄養素が摂れる点です。
運動後も運動によって傷ついた筋肉を修復、合成のために補食はおすすめです。
さらに運動中に使ったエネルギーや、水分補給、疲労回復のためにも運動後は補食を取りましょう。
【おすすめな補食】
・おにぎり
(おすすめな具)
梅干し・・・疲労回復に効果的です
鮭、おかか、チーズ・・・たんぱく質が摂れます
ごま・・・カルシウムが摂れます
・バナナ
・ゼリー飲料
・果汁100%ジュース など
まとめ
保護者やコーチなどのスポーツに従事している大人が、子ども1人1人を把握し良好な発育や発達をしているか日頃から常に気にかけていることが大切になってきます。
子どもの身体を作るには保護者の正しい知識と行動も必要です。
食事が子どもの将来の身体を作ることを意識しながら、日々の食事を作っていくこともスポーツをする上では欠かせないことになってきます。
東京オリンピックももうじき開催されます。
様々なスポーツを親子で観戦することも、子どもにとっては良い刺激になるでしょう。
ぜひ、お子さんがスポーツで結果が残せるような食事作りをしていきましょう。
この記事の筆者は、管理栄養士・母子栄養指導士のnicottoが担当。約9年間に渡り保育園勤務にて、離乳食・幼児食・アレルギー食・食育活動に携わる。現在は保育園給食の現場指導やコラム執筆、母子栄養協会講師などを務め、乳幼児食はもちろん学童食から妊産婦食までの食事指導やアドバイスを行っている。2児の母。
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