ペットボトルをぎゅっとつぶして、ぱっと手をはなすと——中に白い雲がふわっとあらわれます。空の上でしか見られないはずの雲を、ペットボトル・ぬるま湯・線香のけむりだけで自分の手の中に作れるのが、この実験のいちばんの魅力です。雲ができる瞬間は一瞬なので、何度もくり返して条件を変えながら比べるのに向いていて、気象への入り口になる自由研究として定番のテーマです。このページでは、ペットボトルで雲を作る自由研究ワークシートを小3〜小6の学年別に4枚、A4たてのPDFで無料配布しています。あわせて空の本物の雲を調べるなら雲の観察シート、記録の書き方の練習には実験記録シート、結果のまとめには自由研究まとめ方シートもどうぞ。
この記事でわかること
01雲を作る実験を成功させる5つのポイントボトルの選び方とけむりの役割見る →02ペットボトルの中に雲ができる仕組みふくらむと冷える/水蒸気が水滴に/けむりはたね見る →03【無料DL】雲を作る自由研究プリント4枚小3〜小6の学年別/手順・条件・観察記録・考察見る →04実験からまとめまでの3ステップ計画→観察→考察の進め方見る →05先生向けの活用アイデア小5「天気の変化」との関連と条件制御見る →06よくある質問雲ができないときは?何年生から?見る →
ペットボトルで雲を作る実験を成功させる5つのポイント
ペットボトルは炭酸飲料用のかたいものを選ぶ
この実験は「ボトルを強くつぶして、一気にはなす」力を使うので、炭酸飲料用のかたいペットボトル(500mL〜1.5L)がいちばん向いています。お茶や水のやわらかいボトルだと、へこんだまま戻りにくく、中の空気の変化が小さくなって雲ができにくくなります。ラベルをはがして、横からよく見えるようにしておきましょう。
中をぬるま湯でしめらせて、水蒸気をたっぷりにする
雲の材料は目に見えない水蒸気です。ボトルにぬるま湯を少し(底から2〜3cm)入れてふたを閉め、軽く振って内側全体をしめらせると、中が水蒸気でいっぱいになります。冷たい水よりぬるま湯のほうが水蒸気が多く出るので、雲の見え方がはっきり変わります。熱いお湯はやけどとボトルの変形のもとになるので使いません。
線香のけむりを少しだけ入れる(雲のたね)
水蒸気は、何もない空気の中では水滴になりにくく、けむりやちりの小さなつぶにくっついて水滴になります。大人といっしょに線香のけむりをボトルの口から少し入れてふたを閉めると、雲が白くはっきりできるようになります。けむりの量を変えて見え方を比べるのも、プリントの条件表にそのまま書ける立派な実験です。
「つぶす→ぱっとはなす」の、はなした瞬間を見る
ふたを閉めたら、ボトルを両手で強くつぶし、ぱっと一気に手をはなします。雲があらわれるのは、このはなした瞬間です。つぶしている間はよく見えず、はなすと白くくもり、もう一度つぶすとすっと消えます。この「出たり消えたり」を何度もくり返せるのがこの実験の面白いところなので、1回で終わらせずにじっくり観察しましょう。
条件は1つずつ変えて比べる
プリントの条件表は〈水の量・押す強さ・冷やし方(・けむりの量)〉を書き分けられるようになっています。比べるときは変えるのは1つだけ、ほかはぜんぶ同じが鉄則です。たとえば「けむりあり/なし」を比べるなら、お湯の量も押す強さも同じにします。部屋を少し暗くして横からライトを当てると、うすい雲もよく見えます。
ペットボトルの中に雲ができる仕組み
考察を書くときに使えるように、雲ができる仕組みを3つの段階に分けて整理しておきます。本物の空では「ボトルをはなす」の代わりに、あたためられた空気が上昇してふくらむことで同じことが起きています。
つぶしたボトルから手をはなすと、おしちぢめられていた中の空気が一気にふくらみます。空気はふくらむと温度が下がる性質があるので、ボトルの中の空気は急に冷えます。山の上の空気が冷たいのも、上空ほど空気がふくらんでいるからで、ボトルの中では空の出来事を小さく再現していることになります。
ぬるま湯から出た目に見えない水蒸気は、空気が冷えると小さな水のつぶ(水滴)に戻ります。冷たい飲み物のコップの外側に水滴がつくのと同じ現象です。この小さな水滴が数えきれないほど集まって光を反射すると、白いもや——つまり雲として見えるようになります。
水蒸気が水滴に変わるとき、けむりやちりの小さなつぶ(凝結核)を中心にしてくっつくと、ずっと水滴になりやすくなります。線香のけむりを入れると雲がはっきりできるのはこのためです。本物の空の雲も、空気中のちりや海のしぶきの塩のつぶなどをたねにしてできています。
実験を始める前に確認してほしいこと
お湯を使うときはやけどに注意し、熱湯は使わないでください。40〜50℃くらいのぬるま湯で十分に実験できます(熱いお湯はペットボトルが変形する原因にもなります)。
線香やマッチの火は、必ず大人といっしょに扱ってください。使い終わった線香は水につけて完全に消しましょう。
けむりを使うときは、窓を開けるなどして部屋の空気を入れかえながら行ってください。
ボトルをつぶすときは、ふたの側を自分の顔や人に向けないでください。ふたがゆるんでいると勢いよく外れることがあります。
床がぬれるとすべりやすくなります。実験が終わったら水気をふき取り、手をよく洗いましょう。
【無料ダウンロード】ペットボトルで雲を作る自由研究プリント4枚
小3〜小6の学年別に4枚あります。すべてA4たてのPDF・1枚完結で、用意するもの→手順→条件(くらべること)→安全注意→観察記録→絵・スケッチ→結果→わかったこと(小6は考察)の順に埋めていけば、そのまま自由研究のレポートになります。手順の欄は自分の計画を書きこむ白紙形式なので、上の「5つのポイント」を参考にしながら自分の言葉で書いてみてください。サムネイル画像をクリックすると原寸のPNG画像が別タブで開くので、印刷前に記入欄の広さや漢字の量を確認できます。
小学3年生用|ひらがな中心・おうちの人といっしょに
タイトルは「ペットボトルで くもを作る じゆうけんきゅう」。①じゅんびするもの(ペットボトル・水・おゆ・こおり・けむりのチェックリスト)→②手じゅん→③じょうけん(くらべること)→④あんぜんちゅうい→⑤かんさつきろく→絵をかこう→⑥けっか→⑦わかったこと、と1枚で完結します。「おゆや こおりを つかうときは、おうちの人と いっしょにしよう。」など安全の約束が3つ印刷ずみで、観察記録は1回目〜3回目の表形式。手順の横にはボトルをつぶすようすの小さなイラストがついていて、流れがイメージしやすくなっています。
小学4年生用|漢字表記に慣れる標準シート
タイトルが漢字の「ペットボトルで雲を作る自由研究」になり、❶用意するもの→❷手順→❸条件(くらべること)→❹安全注意→❺観察記録→❻絵をかこう→❼結果→❽わかったこと、の8セクション構成。条件表は〈水の量・押す強さ・冷やし方・ちがい〉の4列で、何をどう変えたかを整理しながら実験できます。観察記録は「雲はできた?」「気づいたこと」を1回目〜3回目まで書く表形式。「やけどに気をつける」などの安全注意も印刷ずみです。
小学5年生用|「研究のめあて」から始める発展シート
冒頭に「研究のめあて」——どんな条件のときに、どんな雲ができるのかを調べてみよう——が印刷された、目的から考えるシートです。条件表は〈水の量・押す強さ・冷やし方・けむりの量・変化〉の5列に増え、けむりの量まで比べる本格的な比較実験に対応。スケッチ欄はドット方眼になっていて、ボトルの中のようすや雲の形を正確に描きやすくなっています。安全注意は火の扱いや後片づけまで5項目印刷ずみです。
小学6年生用|条件別に秒まではかる「考察」つき
4枚のなかで唯一、まとめ欄が「考察」になった上級シート。観察記録の表は1回目・2回目…ではなく〈条件/雲のでき方/できるまでの時間(秒)/気づいたこと〉を条件別に5行書く形式で、時間を数字ではかる定量的な記録ができます。「用意するもの」の枠にはふた・上の部分・下の部分を示すペットボトルの部位図つき。考察欄には「なぜ雲ができたのだろうか。どんな条件のときに雲ができやすかったか。」という問いが印刷されていて、仕組みの説明まで踏みこんだレポートに仕上げられます。
実験からまとめまでの3ステップ
道具をそろえて、手順を自分の言葉で書く
炭酸用のペットボトル・ぬるま湯・氷・線香(大人と使う)をそろえたら、まず「用意するもの」にチェックを入れ、手順の欄に①ぬるま湯を入れて内側をしめらせる→②けむりを少し入れてふたを閉める→③強くつぶして、ぱっとはなす→④中のようすを観察する、のように自分の計画を書きます。実験の前に条件表へ「何を変えて比べるか」も決めておきましょう。
実験して、観察記録の表に書きこむ
部屋を少し暗くして横から光を当てると、雲の見え方がよくわかります。つぶしてはなすたびに、雲の見え方・気づいたことを観察記録の表に短く書きこみます。小3〜小5年生用は1回目〜3回目の記録欄、小6年生用は条件ごとに「できるまでの時間(秒)」まではかる形式です。うまくできたら、けむりの量やお湯の量を変えて同じように記録しましょう。
結果とわかったこと(考察)をまとめる
スケッチ欄にボトルの中のようすを描き、結果の欄に「どの条件のときにどんな雲ができたか」を整理します。最後に、わかったこと(小6は考察)の欄へ「なぜ白い雲があらわれたのか」を上の仕組みの説明を参考に自分の言葉で書けば完成です。模造紙レイアウトのテンプレートを使えば、写真やスケッチを並べた見やすいまとめに仕上げられます。
先生向け|ペットボトルで雲を作る自由研究プリントの活用アイデア
夏休みの自由研究の課題として、また理科の単元の導入・発展としてお使いいただけます。学校・学童・塾での印刷配布も歓迎です。
雲を実際に作ってみせるこの実験は、〈雲は小さな水滴の集まりである〉〈上昇した空気が冷えて雲ができる〉という天気の学習の核心を、教室の机の上で再現できるモデル実験です。単元の導入で興味を引くデモとしても、学習後に「なぜ白くなったのか」を説明させる発展課題としても使えます。
ぬるま湯から出た水蒸気が冷えて水滴に戻る現象は、小4で学ぶ〈水は温度によってすがたを変える〉〈冷やすと水蒸気は水に戻る(結露)〉の応用です。コップの外側の水滴や冬の窓ガラスの結露と結びつけて考えさせると、学んだことが日常とつながります。
プリントの条件表は〈水の量・押す強さ・冷やし方(小5・小6はけむりの量も)〉を書き分ける形式です。「変える条件は1つだけ」という条件制御の考え方を、短時間でくり返せる実験で練習できます。小6年生用は雲ができるまでの時間を秒ではかる定量記録なので、データにもとづいた考察の指導につなげられます。
手順の欄はあえて白紙の記入式になっています。児童が自分で手順を4ステップに整理して書くことが、そのまま実験計画の練習になります。安全注意はシートに印刷ずみなので、火とお湯の扱いを事前に確認する声かけと組み合わせてご活用ください。
おうちの方へ
この実験は「つぶして、ぱっとはなす」の一瞬が勝負なので、最初はうまくいかないこともあります。そこで手を出して代わりにやってしまうより、「お湯をもう少し増やしてみる?」「けむりを足してみる?」と条件を変える相談役にまわってあげてください。うまくいかなかった記録も、条件表に書けば立派な実験データになります。お湯の用意と線香の火だけは大人の担当にして、つぶす係・観察係はぜひお子さんに。雲が出た瞬間の「できた!」の声が、この自由研究のいちばんのごほうびです。
実験がうまくいったら、こんどは空の本物の雲へ。雲の観察シートで雲の種類と天気の関係を調べたり、天気・気温観察シートで気温の記録とあわせたりすると、気象の自由研究として深まります。記録の書き方の練習には実験記録シートもどうぞ。
ペットボトルで雲を作る自由研究プリントのよくある質問
Qペットボトルで雲を作る自由研究プリントは無料で使えますか?
Aはい、4枚すべて無料でダウンロード・印刷してお使いいただけます。ご家庭・学校・学童・塾などでの印刷配布も歓迎です(PDFファイル自体の再配布・販売はご遠慮ください)。
Q何年生から使えますか?
Aプリントは小3〜小6の学年別4枚です。小3年生用はひらがな中心で、安全の約束も印刷されています。実験自体はお湯と線香を大人が担当すれば低学年でも楽しめるので、小1・小2のお子さんは小3年生用のシートを親子でいっしょに使うのがおすすめです。
Q雲がうまくできないときは、どうすればいいですか?
A①水をぬるま湯に変えて、ボトルを振って内側全体をしめらせる、②線香のけむりを少し足す、③炭酸飲料用のかたいボトルに変えて、思いきり強くつぶしてから一気にはなす、の3つを順に試してください。部屋を少し暗くして横からライトを当てると、うすい雲でもよく見えるようになります。
Q解答はついていますか?
Aこのプリントはワークシート(記録用紙)なので、解答はついていません。雲の見え方は、お湯の温度・けむりの量・押す強さなどの条件によって変わるため、「正しい答え」は一つに決まりません。大切なのは、条件を変えながらくり返し観察したことと、雲ができた理由を自分の言葉で書けたことです。記入の流れ(手順→条件→記録→考察)が埋まっているかを見てあげてください。
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