「どうして水と油はまざらないの?」——コップに水と油を入れてみると、いくら振ってもしばらくすると2つの層に分かれてしまいます。用意するのは水・サラダ油・ふたつきの透明な容器だけ。それなのに、よく見て比べる・時間をおいて観察する・理由を考えるという理科の基本がぜんぶ入っているのが、水と油の実験のいいところです。混ぜてから分かれるまでは数分〜10分ほどなので、1時間あればひととおりの観察が終わり、夏休みの残り日数が少なくても間に合います。このページでは、水と油の実験ワークシートを小1〜小6の学年別に6枚、A4たてのPDFで無料配布しています。記録の書き方に迷ったら実験記録シート、できあがった結果のまとめ方は自由研究まとめ方シートや模造紙レイアウトのテンプレートもあわせてご覧ください。
この記事でわかること
01水と油の実験を成功させる5つのポイント容器の選び方と観察のタイミング見る →02水と油が混ざらない理由をやさしく解説つぶの性質/重さのちがい/洗剤のはたらき見る →03【無料DL】水と油の実験プリント6枚小1〜小6の学年別/観察→色水比較→考察見る →04実験からまとめまでの3ステップ1時間で仕上げる手順見る →05先生向けの活用アイデア学年ごとの重点と単元との関連見る →06よくある質問何年生から?どのくらい時間がかかる?見る →
水と油の実験を成功させる5つのポイント
透明でふたつきの容器を使う
横から見たときに境目がはっきり見えることが、この実験でいちばん大事です。ふたつきの透明なペットボトル(500mLくらい)なら、こぼさずに思いきり振れて、机の上に立てて時間経過も観察できます。ジャムのびんでもできますが、ガラスは振っているときに落とすと危ないので、振る実験にはペットボトルがおすすめです。
油は水より少なめに入れる
水と油を半分ずつにするより、水を多め・油を少なめ(およそ2:1)にすると、境目の線がくっきり見えて絵にも描きやすくなります。小6年生用のプリントには「水を約100mL、油を約50mL」という量の目安が印刷されているので、計量カップではかればどの学年でも同じ条件で実験できます。
「振った直後」と「しばらくおいたあと」の2回観察する
この実験の主役は、白くにごって混ざったように見えた液が、時間とともに元の2つの層に戻っていく変化です。振ってすぐのようすを記録したら、ボトルを動かさずに置いて、5分後・30分後・1時間後というように何回かに分けて観察しましょう。あわてて片づけてしまうと、いちばん面白いところを見のがします。
色水にすると、どちらが水かひと目でわかる
食紅などで水に色をつけて同じ実験をすると、色がつくのは水の層だけで、油には色がつかないことがわかります。境目が見やすくなるだけでなく、「食紅は水にはとけるのに油にはとけない」というもう1つの発見にもつながる、プリント後半の大事な比較です。
観察は絵と言葉の両方で記録する
プリントの記入欄は、絵を描くスペースと言葉を書くスペースの両方が取れる白い枠になっています。層の位置・色・にごり方を絵で描き、気づいたことを言葉でそえると、あとでまとめるときに困りません。振った時刻をメモしたり、同じ角度からスマホで写真をとっておいたりすると、模造紙にまとめるときの材料になります。
水と油が混ざらない理由をやさしく解説
実験の考察を書くときに役立つように、「なぜ水と油は混ざらないのか」を小学生向けのことばで整理しておきます。低学年は①だけでも十分です。高学年は②③まで読むと、考察に書けることがぐっと増えます。
水も油も、目に見えないくらい小さなつぶが集まってできています。水のつぶはおたがいに強くくっつき合う性質があり、油のつぶは水のつぶとはなじめません。振って細かいつぶになっても混ざり合ったわけではないので、時間がたつと同じなかま同士でまた集まり直して、元の2つの層に戻ります。
同じ1mLで重さを比べると、水は約1gなのに対して、サラダ油は約0.9gしかありません。同じ体積なら油のほうが軽いので、必ず油が上・水が下に分かれます。振ったあと、油のつぶが少しずつ上へのぼっていくようすが観察できたら、それがこの「軽さのちがい」の証拠です。
食器用洗剤には、水とも油ともなかよくできる特別なつぶ(界面活性剤)が入っています。実験の最後に洗剤を数滴たらしてもう一度振ると、白くにごったまま、なかなか2つの層に戻らなくなります。これが「乳化」で、マヨネーズやドレッシングにも使われているしくみです。油よごれが洗剤で落ちる理由にもつながります。
実験を始める前に確認してほしいこと
実験に使った水・油・色水は、絶対に飲んだり口に入れたりしないでください。食べ物と間違えないよう、実験用と食事用の容器は分けましょう。
使い終わった油は、そのまま排水口に流さないでください。新聞紙や古い布に吸わせるか、袋に入れて、お住まいの地域のルールにしたがって捨てましょう。
振るときは、ふたがしっかり閉まっているか先に確認してください。ガラスびんを使う場合は落とすと危ないので、振る実験はペットボトルで行うのがおすすめです。
油がこぼれると床や手がすべりやすくなります。新聞紙をしいて実験し、こぼれたらすぐにふき取ってください。
食紅は服やじゅうたんにつくと落ちにくいことがあります。よごれてもよい服で、机に新聞紙をしいてから始めましょう。
【無料ダウンロード】水と油の実験プリント6枚
小1〜小6の学年別に6枚あります。すべてA4たてのPDF・1枚完結で、どの学年も「まぜたようす」→「振った直後」→「時間がたったあと」→「色水でくらべる」→「わかったこと」の順に書き進めれば、そのまま自由研究のレポートになります(まとめ欄が「考察」になるのは小5・小6年生用です)。サムネイル画像をクリックすると原寸のPNG画像が別タブで開くので、印刷前に記入欄の広さや漢字の量を確認できます。
小学1年生用|ぜんぶひらがなの水と油の実験シート
「じゆうけんきゅう・みずと あぶらの じっけんプリント」というタイトルからすべてひらがな。①「やってみよう」で使った「みず」「あぶら」「いれもの」を自分で書く欄から始まり、②まぜた ようす→③ふった すぐあと→④しばらく おいた あと→⑤いろみずで くらべよう→⑥わかったこと、と進みます。②〜④は罫線のない白い枠なので、字が少なくても絵だけでどんどん記録でき、⑤には「きづいたこと・かんがえたこと」の記入行がついています。顔つきの水てきキャラクターが応援してくれる、やさしい紙面です。
小学2年生用|大きな枠に絵と言葉で記録する
漢字は「水」だけで、ふりがなつき。①まぜた ようす→②ふった すぐあと→③しばらく おいた あと→④いろ水で くらべよう→⑤わかったこと、の5項目です。6枚のなかで観察を描きこむ枠がいちばん大きくとってあるので、層のようすをじっくり絵にしたい子にぴったり。⑤わかったことは点線3行で、「きづいたことや わかったことを かいてね。」という声かけつきです。
小学3年生用|手順4ステップつき・赤と青の色水でくらべる
紙面の上に「やってみよう!」の手順4ステップ(水を入れる→油を入れる→ふる→時間をおいて観察)が印刷されているので、これを読みながら1人でも実験を進められます。④「色水でくらべる」は「あか色」「あお色」の2枠に分かれていて、「におい・さわったかんじ」まで書く指示があるのがこの学年だけの特徴。⑤わかったことは点線8行とたっぷりで、「なぜそうなったのか、考えたことも書いてみよう!」という吹き出しが考察への橋わたしをしてくれます。学習漢字にはふりがなつきです。
小学4年生用|「用意したもの」をチェックして始める
ふりがなのない漢字表記に変わり、欄の名前も「混ぜた様子」「振った直後」「時間経過」「色水で比べよう」と理科らしくなります。冒頭の「用意したもの」は〈水・油・ペットボトル(ふたつき)・食紅(または色水)・その他〉のチェックボックス式で、実際に使ったものに印をつけて記録する形。使った道具を書き残すという実験レポートの基本が、この1枚で身につきます。⑤わかったことは破線4行です。
小学5年生用|「考察」を書く実験レポート型
欄の名前が「混合」「振った直後」「時間経過」「色水比較」という二字熟語になり、まとめ欄は「わかったこと・考察」に。「用意するもの」には〈透明なペットボトル・水・食用油(サラダ油など)・食紅(またはインク)・計量カップ・ラベルシール・油性ペン〉の7項目が印刷されています。③には「時間:( )」、④には「使った色」の記入欄があり、条件を数字と言葉で残すレポートの書き方に自然に導いてくれます。イラストも写実的な実験器具に変わります。
小学6年生用|100mLと50mLではかる定量実験型
冒頭に「実験の目的」の枠がある、6枚中もっとも本格的な1枚。①には「水を約100mL、次に油を約50mL入れる」、②には「ふたをしめて10回くらいしっかり振る」と量と回数の目安が印刷されているので、条件をそろえた実験ができます。③時間経過は「約5分後→約30分後→約1時間後」の3連の枠で変化を追い、④は「青い色水」「赤い色水」の2枠で比較。⑤考察は5行で、観察結果から理由を考えて書く構成です。
実験からまとめまでの3ステップ
道具をそろえて、水→油の順にそっと入れる
ふたつきの透明なペットボトルに、まず水を、次に油をそっと注ぎます(目安は水2:油1。小6年生用には水100mL・油50mLと書いてあります)。入れた直後の「境目がくっきり分かれたようす」を①の欄に絵と言葉で記録しましょう。ここが実験のスタート地点になります。
ふたを閉めて10回ほど振り、「直後」と「時間をおいたあと」を観察する
ふたをしっかり閉めて10回ほどしっかり振ったら、すぐに②の欄へ。白くにごって細かいつぶがただよう「混ざったように見える」ようすを記録します。そのままボトルを動かさずに置いて、5分後・30分後・1時間後と時間をおいて観察し、③の欄に「だんだん2つの層に戻っていく変化」を書きこみます。
色水で同じ実験をして、考察をまとめる
水に食紅で色をつけて同じ実験をくり返し、④の欄でふつうの水との違いを比べます。色がつくのは水の層だけであることに気づけたら大成功。最後に⑤の欄へ「わかったこと」と「なぜそうなったと思うか」を書きます。プリントをそのまま提出してもよいですし、模造紙レイアウトのテンプレートを使えば写真つきの大きなまとめに仕上げられます。
先生向け|水と油の実験プリントの活用アイデア
夏休みの自由研究の課題として、また理科の単元の導入・発展としてお使いいただけます。学校・学童・塾での印刷配布も歓迎です。
同じ実験でも、小1はひらがなと絵で記録、小3は手順を読みながら「理由」を考え始め、小4は使った道具の記録、小5・小6は「考察」として予想と結果を結びつける——というように、記入欄の名前・行数・指示文を学年の発達段階に合わせて変えてあります。学年どおりに使っても、書く力に合わせて上下の学年のシートを選んでもかまいません。
油が上に浮かぶ現象は、小3「物と重さ」で学ぶ〈同じ体積でも物によって重さがちがう〉の具体例です。また食紅が水にはとけて油にはとけないことは、小5「物のとけ方」の〈水にとける物・とけない物〉の発展として扱えます。洗剤による乳化まで進めば、小6「水溶液の性質」や家庭科の〈油よごれの洗い方〉にもつながります。
色水比較は〈色をつけたこと以外はすべて同じにする〉という対照実験の基本形です。「何を変えて、何をそろえたの?」と問いかけるだけで、小5で重点化される条件制御の考え方の練習になります。小6年生用は量(100mL・50mL)と振る回数(10回)が指定されているので、クラス全員で条件をそろえた一斉実験もできます。
水・サラダ油・ペットボトル・食紅だけで、火も刃物も使いません。振ってから層が戻るまでは数分〜10分程度なので、授業1コマ内で観察まで終えられます。「自由研究がまだ決まっていない」という児童への提出直前の提案としても使いやすいテーマです。
おうちの方へ
この実験でいちばん大切なのは、きれいに層が分かれることではなく、「どうして分かれたんだろう?」とお子さん自身が考える時間です。振ったあと白くにごったボトルを前に「混ざったのかな?」と聞いてみて、時間がたって層が戻ったときにもう一度「さっきのは混ざってたのかな?」と聞いてみてください。答えを教えるより、観察に戻る声かけのほうが考察は深まります。手伝うなら、油の後片づけと、時間をはかって「30分たったよ」と知らせる係がおすすめです。
実験の記録の書き方そのものを練習したいなら実験記録シート、書けた内容を1枚にまとめるなら自由研究まとめ方シートが便利です。同じように家にあるものでできる実験としては氷が溶ける速さを比べる自由研究や野菜や果物の浮く・沈む実験もどうぞ。
水と油の実験プリントのよくある質問
Q水と油の実験プリントは無料で使えますか?
Aはい、6枚すべて無料でダウンロード・印刷してお使いいただけます。ご家庭・学校・学童・塾などでの印刷配布も歓迎です(PDFファイル自体の再配布・販売はご遠慮ください)。
Q何年生から使えますか?
A小学1年生用はすべてひらがなで、絵だけでも記録できる白い枠が中心なので、字を書き始めたばかりの1年生から取り組めます。3年生用には手順が印刷され、5年生・6年生用はまとめ欄が「考察」になった実験レポート型です。学年どおりでなくてもかまいませんので、書ける量に合わせて選んでください。
Q実験にはどのくらい時間がかかりますか?
A水と油を入れて振り、層が戻るまでを観察するひとまわりで10〜30分ほどです。時間経過の観察(5分後・30分後・1時間後)と色水での比較まで入れても、半日あれば記録まで終わります。準備も片づけも簡単なので、夏休みの最終週からでも間に合う実験です。
Q解答はついていますか?
Aこのプリントはワークシート(記録用紙)なので、解答はついていません。層が戻る速さやにごり方は、油の種類・量・振り方によって変わるため、「正しい答え」は一つに決まりません。大切なのは、よく観察して記録したことと、混ざらない理由を自分の言葉で考えて書けたことです。記入の流れ(観察→比較→考察)が埋まっているかを見てあげてください。
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