お子さんがいる家庭では、常に出てくる話題は、習い事どうする?ではないでしょうか。
勉強やスポーツ。学校以外の場所で、お子さんの力を伸ばしてあげたいという気持ちは強いでしょう。
しかし、発達障害の子にとって、習い事の選択は難しい場合があります。
周りの子と上手に関わるのが苦手で、トラブルになってしまう。
時には癇癪を起して、周囲に迷惑をかけてしまう。
新しい場所への抵抗も強く、なかなかスムーズに始められないってご家庭も多いのではないでしょうか。
この記事では、お子さんの習い事の中でも人気のある公文式を取り上げます。
発達障害の子にとって、公文式ってどうなの?って悩まれている方に向けて、メリットとデメリットを紹介します。
記事の後半では、もし始めるとしたら考えておきたい3つのポイントもお伝えします。
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発達障害の子が公文式を選ぶ4つのメリット
発達障害の子にとって、公文式を選ぶのが良い理由を4つ紹介します。
公文式は、個人のペースで進められる
公文式の勉強は、個人で行います。決められた枚数の学習を、その子にあったペースで進めます。
その為、周りの子のペースに合わせたり、話し合って決めていく必要もありません。
発達障害の子にとって、周囲との協調性を求められる場面に苦手意識を持ちやすいでしょう。
なぜ自分が終わっているのに先に進めないのか?必要性を感じない話をなぜ聴かないといけないのか?となります。
自分のペースで進めようとすると、自分勝手だと非難されてしまいます。
しかし、公文式では、スタートの段階からその子にあった段階から始められます。
そして、コツコツと進められるので、お子さんの能力を生かしやすいとも言えるでしょう。
公文式は、やるべき課題が決まっており、見通しが持ちやすい
学習のスタイルは、決まっています。
一般的には、週2回教室に通い、勉強。
通わない日は、決められた枚数の宿題をやります。
あらかじめ宿題が渡されますし、ペースは変わりません。
発達障害の中でもASD(自閉症スペクトラム障害)のお子さんのように、毎日決まったルーティンを過ごすことで、こころの安定に繋がる子もいます。
突然の予定変更などが起きにくい環境で学習するため、お子さんにとっては見通しも持ちやすく、安定した学習スタイルを身につけやすくなるでしょう。
公文式は、親が教材を準備する必要が無い
勉強をするには教材が必要です。
お子さんに適した教材を用意して、可能な限り楽しく学習してほしいと思うでしょう。
しかし、実際に数ある学習用の教材を調べても、どれが良いのかわかりません。
ただでさえ忙しい毎日を過ごしている親御さんの立場から考えれば、教材選びに使う時間は十分にはありません。
その点、公文式では長年の実践を元に、作成された教材を使用します。
親があれこれ準備をしなくても、公文式にお任せしてしまうのも一つ。
親がすることは、教材選びではなく、学習しやすい環境づくりなどに、時間を割くことが出来るでしょう。
公文式は、段階がスモールステップ。達成感を得やすい
勉強の段階は、本人が簡単に出来るレベルからスタートします。
出来たという達成感を感じやすく、子どもにとっても楽しい時間となります。
常に花丸の回答が返ってくる体験は、本人の自信に繋がるでしょう。
「結構できるじゃん」と思えると、もっと頑張ろうという気持ちになります。
くり返し課題をこなしながら、少しずつ難易度を上げていくスタイル(スモールステップ)なので、大きな失敗体験にもなりづらいのも特徴の一つです。
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発達障害の子が公文式を選ぶ4つのデメリット
発達障害の子にとって、公文式を選ぶのが難しい理由も4つ紹介します。
公文式は、同じような問題を繰り返すので飽きやすい
公文式の勉強は、基礎を固めるために、くり返し行う学習です。
その為、同じような勉強を淡々と進めることが苦手なタイプのお子さんには、苦痛に感じやすいかもしれません。
ADHD(注意欠如・多動症)のお子さんの場合は、一つのことをコツコツと続けるのが苦手です。
目新しい勉強だと感じられにくいと、魅力が半減してしまうでしょう。
その為、飽きて長続きしない可能性があります。
公文式は、基本自主学習。一人でやれる力が無いとツラい
自分のペースで学習できるのはメリットにもなりますが、逆に自分のペースだからこそ、ペースづくりが出来るまでは大変です。
特に宿題の時間を確保する必要があります。
「学校の宿題もまともにやれないのに、さらに公文の宿題までやらせるのは大変…。」一人でコツコツと進められるようになるまでは、親側の根気が必要になるでしょう。
公文式は、教室に行くので、周りの刺激が苦痛に感じる場合もある
公文式は、週に数回は教室に通います。
勉強は個々に行い、採点は先生が行います。
他のお子さんとの協調性を多く求められないのですが、一緒の空間で過ごす時間はあります。
がやがやした雰囲気だった場合、学習に身が入らない場合もあるでしょう。
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公文式にスムーズに通うための3つのポイント
発達障害のお子さんが、公文式を始める場合、工夫が必要です。
公文式の教室とは、お子さんが定期的に通うところ。
事前にしっかりと調べておきたいものです。
「けど、何を基準に調べてみたらよいのだろう?」って困りますよね。ここでは、3つのポイントを紹介します。
家から近く、生活圏内にある教室を選ぶ
お子さんの年齢にもよりますが、小さい子なら親が送迎します。
小学校低学年ぐらいになったら一人で行く子も多いでしょう。
送迎しないといけないような遠い場所だと、本人だけでなく、親がしんどくなってしまいます。
子どもが行くのを渋ったら、「まあいいか(私も面倒だし)」と気持ちが折れやすくなります。
生活圏内に教室がないか調べてみましょう。
大きい場所だと刺激が強すぎる
教室の規模には差があります。少人数でこじんまりとした場所もあれば、大きなスペースで、何十人が一緒に勉強するような教室もあります(ここ最近は、コロナの影響により、時間帯をずらすなど、教室側も工夫をしているようです。)。
大きい教室では、周りからの刺激がどうしても増えやすいでしょう。
発達障害の子には、感覚が敏感な子もいます。
沢山の人がいると気になってしまったり、小さい音にも反応してしまいます。
その結果、集中が出来ずに落ち着かなくなります。
小規模で落ち着いた雰囲気の場所があれば、そちらの方が良いでしょう。
ただ、時間帯によって混み具合も違ってきます。
先生に混雑状況を聴き、比較的空いている時間を選んで通うのもイイですね。
発達障害の理解がある先生もいる
発達障害の子は、様々な特性があります。
他の子とは変わらないように見えるお子さんが、突然大声を出して落ち着か無くなったりします(もちろん理由はあるんですが)。
発達障害の特性を知らないと、「この子は落ち着きがない子」「いくら注意をしても聞かない子」と、態度の悪い子としてのレッテルを貼られてしまいます。
しかし、その子の特性として理解し、落ち着いて過ごせる空間づくり(決まった席を用意しておく・先生に声をかけたくてもかけられない時には、カードを使用する)が出来れば、お子さんも楽しく通えるようになります。
一度、教室の先生とお話をしてみるのもイイですね。
また、どうしても難しそうな場合は、発達障害の子が通える専門の教室があります。
障害特性をきちんと理解した先生がサポートしてくれるので、親も安心して相談できるでしょう。
ポイント! まずは無料体験から始めてみてはいかがでしょうか。
公文式では、定期的に無料体験などを実施しています。
場所の見学だけでなく、実際に始めてみて気づけることだってあるでしょう。
「まあ無料だし。」といった気軽な気持ちで始めてみても良いでしょう。
ただ、お子さんにとっては、新しい場所に行くのが負担になる場合もあります。
「知らない場所=何が起きるか分からないから嫌」と考えてしまいます。
その為、あらかじめ公文式についてパンフレットやホームページなどを見せながら説明をしておくのは大切です。
事前準備に時間をかけるのは大変ですが、その分、お子さんが安心して行けるようになります。
結果的には、準備をかけた方が良いことも多いでしょう。
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公文式は習い事の選択肢として考えてみましょう
発達障害の子にとって、習い事を始めるのは、大きなチャレンジの一つです。
その子の成長のプラスになる時もありますし、それ以上に親御さんの負担が大きくなる場合もあります。
お子さんにあったものを始めるのが良いのが大切です。
ただ、始めてみないと、合っているかどうか分からないのも事実。
お子さんが普段興味を持っているものを観察しながら、選んでみてもいいですね。
公文式は、習い事の選択肢のひとつになるでしょう。
この記事を書いている人
三杉達也 臨床心理士・公認心理士
精神科クリニックにてカウンセリングや心理検査などを行っています。10年以上のスクールカウンセラー、児童相談所や児童福祉施設にて家族支援を行ってきました。自身の息子はADHDの診断を受け、日々格闘中。Twitterやブログでも子育てに関する情報を発信しています。
https://twitter.com/uminokanata2020
https://beyond-the-ocean.com/
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