子供の不登校で適切な親の対応とは?回復までにできることを小学校教員が解説!

子供が「学校に行きたくない」と言い出したら、ほとんどの親は慌ててしまいます。
「仕事もあるしどうしよう..」と焦ってしまいますよね。

「どうして行きたくないの?」と子供を問い詰めてしまう親も多いのではないでしょうか?

子供が不登校になって回復するまでには、心の段階があることはご存知でしょうか?
子供はある日突然不登校になり、また突然登校できるようになるわけではありません。
不登校になるまでに予兆があり、不登校になってからもいくつかの心の段階を踏んでから回復に向かいます。
それを知っておかないと、子供が苦しんでいる時期に親がやって欲しくない行動をとってしまい、子供の心をさらに傷つけかねません。

そこで今回は子供が不登校になった時の子供の心の段階と適切な親の対応について紹介します。
毎年夏休み明けのこの時期は不登校の子供が一番多い時期です。
のんびりと家庭で過ごしていた1ヶ月が終わり、登校に対する葛藤を抱える子供は多いことでしょう。
お子さんの不登校について心配されている方はぜひ読んでみてください。

この記事の筆者は元小学校教員のライター、イズミックスです。学生時代は児童養護施設や不登校児童生徒のための適応支援教室でボランティア活動を経験。大学卒業後は8年間小学校教員として勤務。現在は子供の生活や教育問題に関する記事を執筆しています。中学生と小学生の母。

 

不登校の回復までにはいくつかの段階がある

子供が不登校になった時、子供の心の回復までに4つの段階があります。
回復とはまた学校に通えるようになったり、フリースクールや適応指導教室などの学びの場に通えるようになったりする心の状態。
そこに向けて不登校の子供の心は、段階を経て少しずつ回復に向かいます。

回復への心の段階は「混乱期」「安定期」「転換期」「回復期」です。

ですが親は子供の進路のことで不安になり、一刻でも早く回復して欲しいと思います。
ですから子供がまだまだ混乱している時に、早まった対応をして子供の心をさらに混乱させてしまいがちに…。
焦る気持ちをグッと抑えて、子供の心がどの段階にあるかを考え、適切な対応で寄り添っていく必要があります。

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予兆の時期

子供が不登校になる時には、まずは予兆が見られることが多くあります。
以下のような様子が見られる時は注意が必要です。

  • 腹痛や頭痛を訴える。
  • 食欲がなくなる。
  • なかなか起きられない。
  • イライラしていることが多い。
  • 日曜日の夕方になると元気がなくなる。
  • 学校のことを話さなくなった。

上のようなことがよく見られる場合は、学校に対するストレスが高まっている状態です。
ですがはっきりと「学校に行きたくない」と言葉に出すことはありません。
行き渋りといわれる、何とかその日の学校を休もうとする行動が見られることがあります。
はっきりとした不登校ではないですが、休みがちな子も多いでしょう。

そうした行動が見られる時は、普段よりも子供に寄り添って話を聞いたり、いっしょに遊んだりなどして心の緊張がほどけるようにするのが大切です。
子供とゆっくり話すことでストレスを解消してあげたり、休みたい原因が見えてきたりします。

体の不調を訴えて学校へ行き渋りを見せる時は、無理してまで登校させずに1日ゆっくり休ませるという選択も。
とくに小学校低学年くらいの子はゆっくり休養することで登校するエネルギーが充電され、次の日から元気に通える子もいるようです。

混乱期

混乱期とは「学校に行きたくない」とはっきり口に出し、不登校が始まる時期です。
言葉通りに、子供も親も混乱状態になります。

多くの子供は「学校に行かなくてはいけない」と分かっているのですが、どうしても登校することができません。
ですから罪悪感でいっぱいです。
気分も落ち込みがちで、自虐的なことを言う子もいます。
自傷行為という行動に出る子も…。

親はどうして学校に行きたくないのか理由を知りたくて、子供を問い詰めがちです。
ですが子供自身がはっきりとした原因が認識できていなかったり、分かっていたとしても言いたくなかったりするので、親が問い詰めることで関係が悪化します。

また不登校を認めてしまうことで、この先もズルズルと行けなくなることを恐れる親がほとんどです。
ですから不登校初期は親は何としてでも登校させようとするでしょう。
よって「もう行けない」「行かない」と決めている子供とぶつかり、子供の暴力や暴言に発展してしまうことも多くあります。

親が不登校を認めることで混乱期はやがて収束。
2~3か月で収まる場合もあれば、親が子供を尊重せず登校を無理強いしていると長期間続くこともあるでしょう。

混乱期の適切な親の対応

不登校を認める

不登校という状況はなかなか認めにくいものですが、子供にとって一番の見方は親。
親にも認めてもらえなければ、さらに子供の心は傷つきます。

子供は学校でがんばってきたから不登校になったのです。
ですから子供そのものを受け止める気持ちで、「つらかったね」「今までがんばってたんだね」と不登校の状態も認めてあげてください。

原因を問い詰めない

この時期は、不登校の理由を子供が話したくない場合は無理に話させない方がよいでしょう。
友達関係が上手くいかないなどは親には聞かれたくないものです。
子供が話したい場合は別ですが、口を閉ざしている時に無理やり聞き出すと子供は心を閉ざしてしまいます。

励まさない

子供に学校生活に疲れて不登校になっているので、これ以上「がんばれば行けるよ」などと励ますのは酷です。
身体ともに非常に疲れている状態。
まずはゆっくり休ませる気持ちで、がんばりを強要せずに接してあげましょう。

ただし全く期待しないという姿勢は、子供が「親に見限られた」と感じてしまうことも。
さじ加減は難しいですが、愛情のある言葉で人間性を認めるような声かけを心がけましょう。

安定期

子供も親も不登校という状態を受け入れることで安定期と呼ばれる時期に入ります。
不登校を受け入れがたかった混乱期に比べ、子供も親も心のアップダウンが少なくなるでしょう。
子供の体の不調もなくなってきて、家庭では比較的落ち着いた生活を送れます。
少しずつ会話が元通りにになってくるので、子供が行きたくない原因を話してくれることもあるでしょう。

ですが子供は未来に向けて動き出すエネルギーがまだまだ足りない状態。
また自信のなさや将来に対する不安を抱えています。
そのため外出は全くせず、インターネットやゲームなどに逃げ込み、部屋に引きこもる子が多くなります。

不登校によく見られる昼夜逆転の生活が続き、遊んでいるだけに見える状況に親はイライラさせられることが多くなります。
ですが子供も「このままではよくない」と分かっているのです。
心身ともに休ませ、回復のためのエネルギー補給をする時期と考えましょう。
安定期は長く続くことが多く、親にとっては忍耐の時期でもあります。

安定期の適切な親の対応

安定期は不登校の生活が日常となり、家庭内は安定しているともいえます。
ですが親としては状況が何も変わっていないようで焦りを感じる時期です。
不登校を克服していくには親子の信頼関係が一番大切。
「ゲームばかりして」「少しは勉強したら」などと言いたくなるところを我慢して、ポジティブな声かけを続けてください。

まだ学校の話をするには早いですが、やがて来る転換期に向けて、フリースクールなどについて情報を集めるのもよいでしょう。

転換期

体力や気力が充実しつつある時期です。
外の世界への関心が出てきて、一人で散歩をしたりコンビニや図書館など学校以外のところには行けたりするようになってきます。
またオンラインやSNSで人との繋がりを求める子も出てくる時期です。
「暇だな」と感じることが多くなってきて、親の手伝いなどをしてくれる子も出てくるでしょう。

「何かをやりたい」という気持ちが芽生え始めているので、学校の話やフリースクールなど学びの場所の話をしてもよい時期です。
一歩踏み出すためにも無理強いではなく、「こういう方法もあるよ」「こういうところもあるよ」という提案という形で話をしてみるのもよいでしょう。

転換期の適切な親の対応

不登校のいつの時期もそうですが、過度の期待は子供のプレッシャーです。
とくに子供が少しずつヤル気を見せる転換期は、「やっと動き出してくれた」と親も心が弾みます。
つい喜びを口に出し、知らず知らずに子供にプレッシャーをかけてしまうことにもなりがちです。

「あなたが選ぶ道を応援します」という気持ちで、見守る態度を貫きましょう。

回復期

回復期は子供が外の世界に向け、再び動き出す時期です。
学校やフリースクールなどの学びの場所に通うことを決断し、実際に通い始めます。

この時期の子供は外出が増え、「外に出よう」という気持ちが強くなってきます。
ですから学校以外の学びの場所、フリースクールや適応指導教室を検討する場合は、実際に見学して雰囲気を見るのもよいでしょう。

学校に戻ったり、学びの場に通いだしたりした回復期の子供は「がんばってみよう」という気持ちを強く持っています。
ですが同時に集団生活への不安も抱えています。
また体力が落ちているので、学校や学びの場に通い始められても疲れを感じる子も多いはず。
通い始めは無理せずに徐々に生活に慣れていくことが大切です。

回復期の適切な親の対応

親主導ではなく子供主導で

子供が回復に向けて動き出すと、親はうれしくてドンドン引っ張っていきたくなるもの。
ですが不登校になる子供は大人の期待に応えようとして、疲れて果ててしまった子も多くいます。

親が望む道ではなく、子供が進みたい道を尊重して進路を決めていくことが大切です。
自分が進みたい道であれば、子供はより主体的に通うことができます。
親は子供の希望をよく聞いて、アドバイスや提案の形でサポートするのがよいでしょう。

戻ってしまってもがっかりしすぎない

もともと真面目な子が多い不登校の子供は、再び登校を始めたり、新しい場所に通ったりすることで疲れを感じることはよくあります。
また休みがちになってしまい、がっかりしてしまう親御さんも多いでしょう。

ですが不登校前に比べて、つらい体験をした後の子供は大きな成長をしています。
子供に失望することなく、またゆっくりと立ち上がることを信じて見守っていくことが大切です。

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まとめ:子供の不登校は温かく見守りながら適切なタイミングでサポートを!

今回は不登校の子供の回復までの心の段階について紹介しました。

令和元年度の調査によると不登校の子供は小学校で120人に1人、中学校で25人に1人となっています。
とくに中学校において不登校は珍しいことではありません。

でも子供が「学校に行きたくない」と言い出したら、親なら誰でも慌ててしまうもの。
矢継ぎ早に質問して、子供を追い詰めてしまうかもしれません。
ですが不登校の子供の心の段階を知っていれば、不用意な言葉を投げかけて、子供を必要以上に傷つけずにすみます。

不登校から回復するには早い子で3ヶ月、長くなると何年もかかってしまう場合も…。
不登校になって一番苦しんでいるのは子供です。
親は焦らずに温かく見守り、適切なタイミングでアドバイスなどのサポートをすることが回復への近道になります。

この記事の筆者は元小学校教員のライター、イズミックスです。学生時代は児童養護施設や不登校児童生徒のための適応支援教室でボランティア活動を経験。大学卒業後は8年間小学校教員として勤務。現在は子供の生活や教育問題に関する記事を執筆しています。中学生と小学生の母。

 

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