
小学6年生の1月は、これまでに習った計算や割合、表・グラフの読み取りをつなぎ、「必要な情報を選ぶ」「比べ方を決める」「数を根拠に説明する」力を確かめたい時期です。「計算はできるのに文章題で止まる」「グラフを見ても何を書けばよいかわからない」というときは、問題数を増やす前に、考える手順を整えましょう。
この記事では、算数の活用・資料の読み取りのつまずきと教え方、実物画像から選べる無料プリント4点、4週間の家庭学習例、解説付き確認問題8問を紹介します。プリントだけを探している方は無料プリント4選へ進んでください。
学習する月や単元順は、教科書・学校によって異なります。東京書籍の2024年度版年間指導計画・略案では「データの調べ方」は2学期、「データを使って生活を見なおそう」「算数のしあげ」は3学期に配置されています。本記事の1月の配分は、これを参考にした家庭学習の編集案です。データの活用を復習しながら、既習の分数・割合を生活場面で使う構成であり、全国共通の1月の授業範囲ではありません。
未習の内容は先取りを急がず、学校で習った表・グラフや計算へ置き換えましょう。12月の算数|場合の数・2学期のまとめから、復習したい内容を選ぶこともできます。
小学6年生1月の算数で確かめたいこと
1月の家庭学習では、同じ型の計算を速く解く練習に加えて、「この場面では何を使うか」を自分で選ぶ練習を取り入れます。2月以降の総復習につなげるため、答えだけでなく途中の判断も見てみましょう。
| 学習の柱 | 確かめる内容 | できたかを見るポイント |
|---|---|---|
| 資料を正しく読む | 題名・対象・単位・目盛り、階級と度数、平均値・中央値・最頻値 | 何人分・何の記録かを言える |
| 資料を比較する | 人数と割合の区別、代表値と散らばり、データからいえること | どの数を比べたか説明できる |
| 生活場面で計算する | 分数のかけ算・わり算、割合、単位換算、見積もり | もとにする量と求める量を区別できる |
| 考えを確かめる | 必要な条件、情報の不足、検算、結論の範囲 | 答えの大きさや説明が場面に合うか確かめられる |
解けなかった問題には、「計算」「読み取り」「式を選ぶ」「説明」のどこで困ったかを一言メモします。例えば、式は正しく約分だけを忘れた場合と、もとにする量を取り違えた場合では、戻る練習が違います。
資料の読み取りでよくあるつまずきと教え方
① グラフの棒や点だけを見て、単位・目盛りを確認しない
まず「何を調べたか」「だれの記録か」「横軸と縦軸は何か」「1目盛りはいくつか」の順で確認します。柱状グラフなら、横軸は記録の区間、縦軸はその区間に入る人数です。ドットプロットなら、1つの点が1人分など何を表すかを確かめてから数えます。
「40回以上45回未満」は40回を含み、45回を含みません。45回ちょうどの人は「45回以上50回未満」に入ります。「以上」「未満」を読み飛ばす子には、40・44・45をそれぞれどちらに入れるか、口頭で確認すると整理しやすくなります。
区間ごとの人数だけでは、一人一人の正確な記録はわかりません。「45回以上50回未満に7人いる」から「45回の人が7人」とは言えません。正確な平均値や最大値を求めるための情報が足りない場合もあります。
② 平均値・中央値・最頻値を同じものとして扱う
読書冊数が2・3・3・4・8冊の5人を例に考えます。平均値は合計20÷5=4冊、中央値は小さい順の真ん中で3冊、最頻値は最も多く現れる3冊です。8冊という大きな値が平均値を引き上げるため、3つが同じになるとは限りません。
| 代表値 | 求め方 | 注意すること |
|---|---|---|
| 平均値 | 合計÷データの個数 | 0も1つのデータとして数える。極端に大きい値や小さい値の影響を受ける |
| 中央値 | 大きさの順に並べた中央の値 | 偶数個なら中央2つの値の平均。元の並び順の中央ではない |
| 最頻値 | 最も多く現れる値 | 「何回現れたか」ではなく、その値を答える。複数ある場合もある |
「ふだんの様子を伝えるには、どの値がよさそう?」と聞き、選んだ理由も話してもらいましょう。どの代表値がいつも正解ということではなく、目的やデータの分布によって使い分けます。
③ 人数が違う集団を、そのまま人数だけで比べる
ある基準を達成した人がA組は20人中10人、B組は30人中12人だったとします。達成した人数はB組のほうが多いですが、達成した人の割合はA組50%、B組40%です。「達成した人の多さ」を割合で比べるなら、A組のほうが高いといえます。
求め方は「条件に合う人数÷全体の人数×100」。分母にあたる全体がどちらの組の人数なのかを確認します。一方、「参加賞を何個用意するか」のように必要な個数を考える場合は人数が必要です。何のために比べるのかを先に決めると、人数と割合の使い分けが明確になります。
④ 平均が高ければ、全員の記録が高いと思ってしまう
平均値は集団の特徴を表す数で、一人一人の記録ではありません。「2組の平均読書冊数が高い」ことから「2組の全員が1組の全員より多く読んだ」とは言えません。ドットプロットでは、点がどこに集まるか、広がりはどうか、記録が重なる部分はあるかも見ます。
説明は、「比べる観点→具体的な数→その範囲での結論」の順に書くと伝わりやすくなります。例えば「今回調べた16人ずつでは、読書冊数の平均値は1組4冊、2組5冊だった。平均値で比べると2組のほうが多く読んでいる」という形です。
⑤ 調べた範囲を超えて結論を広げてしまう
1か月分の記録だけでは「いつも多く読む」とは断定できません。また、あるクラスの16人を調べた結果が、そのまま学校全体の特徴になるわけでもありません。「今回調べた人・期間では」と範囲を添え、さらに確かめるなら同じ方法で別の月も調べるなど、次の調査を考えます。
家庭で調べるときは、「問題を決める→集め方を計画する→データを集める→表やグラフで分析する→結論を出す」の順がおすすめです。例えば1週間の自分の読書時間なら、毎日同じルールで記録し、0分の日も含めて整理します。時間だけで学習の質や努力まで決めつけないことも大切です。
算数の活用・文章題は「条件を整理する」ところから
① 出てきた数字をすべて使おうとしない
文章題を読んだら、最初に「何を求めるか」に線を引き、次に必要な条件だけを抜き出します。
ノートは1冊120円、鉛筆は1本80円です。ノートを3冊買うと、代金はいくらですか。
求めるのはノート3冊の代金なので、120×3=360円。鉛筆の80円は使いません。「使わない数があってもよい」と確認してから式を書くと、数字を無理につなげる誤答を防げます。
逆に情報が足りない問題もあります。「1本80円の鉛筆を何本か買いました。代金はいくらですか」では本数が不明です。根拠なく本数を決めず、「本数がわかれば求められる」と説明することも、算数の活用です。
② かけ算・わり算を、言葉の印象だけで決めない
分数を使う文章題では「もとにする量×割合=比べる量」を出発点にします。何が1にあたるのか、何がわかっていて何を求めるのかを、表や数直線で確認しましょう。
| 求めるもの | 関係 | 例 |
|---|---|---|
| 比べる量 | もとにする量×割合 | 600mLの3/4 → 600×3/4=450mL |
| もとにする量 | 比べる量÷割合 | 全体の3/4が450mL → 450÷3/4=600mL |
| 割合 | 比べる量÷もとにする量 | 600mLのうち450mL → 450÷600=3/4 |
プリントの「1にあたる量がわかるときは×」は、割合がわかっていて比べる量を求める場面の手がかりです。割合そのものを求めるときは、もとにする量がわかっていてもわり算を使います。短い言葉だけを丸暗記せず、3つの量の関係に戻りましょう。
例えば「本全体の2/5が60ページ」なら、全体を□として「□×2/5=60」。したがって60÷2/5=150ページです。全体は一部分の60ページより多いはずなので、答えの大きさも確かめられます。
③ 「残りの何分の何」で、もとにする量が変わる
「2400円の1/4を使い、残りの2/3で本を買う」では、最初の基準は2400円、次の基準は残金です。先に2400×1/4=600円、残りは2400−600=1800円と整理し、本代は1800×2/3=1200円と求めます。
2/3を2400円にかける誤答には、「何の2/3?」と問いかけ、「残り1800円の2/3」と文章に戻してもらいます。2回の計算を一度に暗算しなくても、途中の量に「残金」と名前をつけるだけで考えやすくなります。
④ 比と割合を混同する
赤玉と白玉の比が3:4のとき、赤玉は全体の3/4ではありません。全体を3+4=7等分したうちの3つ分なので、赤玉は全体の3/7です。合計56個なら、56÷7×3=24個。赤と白を合わせて56個になるかも確認しましょう。
⑤ 単位をそろえず計算する・答えを確かめない
時速42kmで50分走る道のりは、50分=50/60時間=5/6時間に直し、42×5/6=35kmと求めます。50分を0.5時間とする誤りに注意しましょう。0.5時間は30分です。
見積もりは、正確な計算をする前の見通しにも使えます。50分は1時間より短いので、道のりは42kmより短くなるはずです。分数では、かけ算をすると必ず大きくなる、わり算をすると必ず小さくなる、とは限りません。正の数に1より小さい数をかければ小さくなり、1より小さい正の数でわれば大きくなります。
買い物の見積もりでは目的も考えます。198円の品物を3個買うなら、約200×3=600円と見当をつけられますが、実際の代金は198×3=594円です。「お金が足りるか」を確かめるときは、少なく見積もりすぎないようにします。
小学6年生1月の算数に使える無料プリント4選
各画像は、実物の問題PDFから作成しています。画像を押すと問題PDF、各カードの「プリント・解答一覧へ」から教材の紹介ページを開けます。問題・解答はいずれも各1ページです。A4で印刷し、全部を一度に解く必要はありません。
2つの集団を比べよう

A組20人・B組25人の反復横とびの柱状グラフから、人数・割合・最も多い階級を読み取ります。
割合を求めるときは、それぞれの組の全体人数でわります。大問4は45回以上の割合を基準にした比較であり、全員の優劣や正確な平均値までは判断しません。
プリント・解答一覧へ分析して結論を出そう

各16人の読書冊数をドットプロットで示した問題です。代表値・5冊以上の人数を求め、結論の○×と次の調査を考えます。
1組の合計64冊、2組の合計80冊。中央値は順に並べた8番目と9番目から求めます。「多く読んでいる」は今回の対象・期間・冊数についての判断とし、いつも・全員とは広げません。
プリント・解答一覧へ分数のかけ算・わり算の文章題

棒の長さと重さ、ペンキ、速さ、金額、読書ページ数、残金を扱う8問です。
最初は1・2を対にして、1mに対応する重さがわかっているか確認。5は50分を5/6時間へ直します。7・8は基本の後に選び、8では残金が新しい基準になることを確認します。
プリント・解答一覧へもとにする量(1)を見つける

見本と表の穴埋め3問、ヒントなし4問、誤った式を直す問題で、割合・比・1あたりの量を練習します。
まず表の3つの量に条件を整理します。赤玉と白玉が3:4なら赤玉は全体の3/7。大問3は計算のミスではなく、全体を求める式の選び方を直す問題です。
プリント・解答一覧へ表やグラフが読める子は①→②、文章題で式を選ぶのが苦手な子は④の見本→③の1・2から始めましょう。①②が難しいときは、データの調べ方の図解・きほんプリントで、代表値やグラフの読み方を復習してから戻ります。③の7・8、④の大問3は基本ができてからで構いません。
教材のステップ番号は、それぞれの教材シリーズ内の順番です。この記事のカード番号①〜④とは別です。元の教材にある「きほん」「チャレンジ」も目安にし、学校で習った内容から選んでください。
1日10〜15分から始める、4週間の家庭学習例
目安は週3〜4回、1回10〜15分です。最初の2分で考え方を確認し、5〜8分で2〜4問、最後に答え合わせと「なぜその式・比べ方にしたか」を一言説明します。時間がかかる日は1問でも十分です。
| 週 | 学習すること | 使う教材・活動 | 未習・難しい場合の置き換え |
|---|---|---|---|
| 1週目 | 資料の条件・目盛りと割合 | カード①の大問1〜3。人数の合計も確認する | 習った棒グラフ・表の読み取りと、小5の割合の復習 |
| 2週目 | 代表値と結論 | カード②。点を数えて表を埋め、○×の理由を話す | 平均と合計の計算だけに絞る。中央値・最頻値は習ってから |
| 3週目 | 文章題の式・単位 | カード③の1〜6。1mや1時間に対応する量を確認する | 分数計算や、整数・小数を使う同じ場面の問題に戻る |
| 4週目 | もとにする量・説明の仕上げ | カード④と下の確認問題。余裕があれば③の7・8 | ④の見本と大問1に絞り、習った範囲の確認問題を選ぶ |
週末には、自分の読書時間や家庭学習時間を同じ方法で記録し、表にする活動もできます。「長い日が1日あったので平均が上がった」「平日と休日では条件が違う」など、数から気づいたことを一つ話してもらいましょう。記録は順位をつけるためではなく、生活を振り返る材料として使います。
理解を確かめる確認問題8問
紙やノートに式と理由を書いてから、下の解説を確認しましょう。未習の内容は飛ばして構いません。点数を競うためではなく、戻って練習する場所を見つける問題です。
- 5人の読書冊数は2・3・3・4・8冊です。平均値・中央値・最頻値を求めましょう。
- 6人の記録は8・2・6・4・10・4です。中央値を求めましょう。
- 「40回以上45回未満」と「45回以上50回未満」の階級があります。45回の記録はどちらに入りますか。また、前者に7人いるとき、40回ちょうどの人数はわかりますか。
- ある基準を達成した人が、A組では20人中10人、B組では30人中12人でした。達成した人の割合が高いのはどちらですか。割合も求めましょう。
- ノートは1冊120円、鉛筆は1本80円です。ノートだけを3冊買います。代金はいくらですか。使わない数も答えましょう。
- ある本の全体の2/5を読むと、読んだページは60ページでした。この本は全部で何ページですか。
- 2400円の1/4を使い、残りの2/3で本を買いました。本の代金はいくらですか。
- 同じ月に調べた読書冊数の平均値は、1組の16人が4冊、2組の16人が5冊でした。「2組の全員が、1組の全員より多く読んだ」と言えますか。理由も答えましょう。
確認問題の答えと考え方
- 平均値4冊、中央値3冊、最頻値3冊。合計は20冊で、20÷5=4冊。小さい順の3番目は3冊。最も多く現れる値も3冊です。最頻値を「2回」と答えないようにしましょう。
- 5。小さい順に2・4・4・6・8・10と並べます。中央2つは4と6なので、(4+6)÷2=5。元の並びの3番目・4番目ではなく、並べ直してから中央を選びます。
- 45回以上50回未満。40回ちょうどの人数はわかりません。「未満」はその数を含まないため、45回は次の階級です。前者の7人は40〜44回の合計であり、それぞれの回数の人数までは示されていません。
- A組。A組50%、B組40%。A組は10÷20×100=50、B組は12÷30×100=40。全体の人数が異なるので、この達成状況は割合で比較します。達成した人数そのものはB組のほうが多いことも区別します。
- 360円。使わない数は80円。120×3=360。求めるのはノートだけの代金なので、鉛筆の価格は計算に入れません。
- 150ページ。全体を□とすると、□×2/5=60。60÷2/5=60×5/2=150です。150×2/5=60で確かめられます。
- 1200円。初めに使った金額は2400×1/4=600円、残りは1800円。本代は1800×2/3=1200円です。2/3の基準は残金であり、最初の2400円ではありません。
- 言えません。平均値は集団の特徴で、一人一人の値はわからないからです。「今回調べた16人ずつの平均値で比べると、2組のほうが1冊多い」とは言えます。全員について説明するには個別の記録などが必要です。
問題1〜4・8で迷った場合はカード①②へ、問題5〜7で迷った場合は本文の条件整理やカード③④へ戻りましょう。答えを写して終わらず、翌日以降に数字や順番を変えた似た問題でも説明できるかを確かめます。
よくある質問
小6の1月は、もう中学数学の先取りを始めたほうがよいですか?
まずは学校の進度に合わせ、分数・割合・比・単位・資料の読み取りで曖昧なところを確かめましょう。計算だけでなく「なぜその式か」「何を根拠に比べたか」を説明する練習は、中学校で式やデータを扱うときにもつながります。
答えは合うのに、理由を書けません。どう教えればよいですか?
いきなり長文を書かせず、「何を比べた?」「どの数を使った?」「そこから何が言える?」と口頭で一つずつ聞きます。その答えを「Aは○、Bは○なので、△といえる」の短い文にしてみましょう。図や表を指しながら説明しても構いません。
4枚すべて解かせたほうがよいですか?
必要な内容だけで構いません。まず2〜3問解き、計算・読み取り・式の選択・説明のどこを練習するか決めましょう。正しく理由を言える問題を何度も繰り返すより、迷った問題を数日後に解き直す使い方ができます。
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学習範囲の参考:東京書籍「新編 新しい算数」6年 年間指導計画作成資料・略案(2024年2月版)。本記事は特定の教科書のページに対応した授業案ではなく、既習事項を活用する家庭学習例です。










