
「相似な三角形は見つかるのに、対応する辺を間違える」「部分と全体の長さを混ぜてしまう」「面積も体積も同じ比にしてしまう」。中3の相似では、何と何を比べているのかを、図と式でそろえることが大切です。
この記事では、中学3年生・11月の数学の家庭学習に向けて、三角形の相似条件、平行線と線分の比、中点連結定理、面積比・体積比を解説します。実物画像で選べる無料プリント4選、4週間の学習例、解説付き確認問題8問を使って、授業や定期テストの範囲に合わせて復習しましょう。
中学3年生11月の数学|相似と比で確認したいこと
まずは「対応する頂点を並べられるか」を確認し、相似条件→線分の比→面積・体積の比の順に進みます。計算が合わないときも、比例式の計算だけでなく、式を立てる前の対応関係まで戻ってみましょう。
| 内容 | 身につけたいこと | 最初の確認 |
|---|---|---|
| 相似な図形 | 対応する辺の比、角の等しさ、記号∽の順番 | A↔Dのように対応表を書く |
| 三角形の相似条件 | 3つの条件と、それを使った証明 | 辺の長さか、辺の比かを区別する |
| 平行線と比 | 対応する辺の比、部分と全体の区別 | 求める線分を色や印で示す |
| 中点連結定理 | 中点を結ぶ線分の平行関係と長さ | どの2辺の中点なのか確認する |
| 面積比・体積比 | 相似比の2乗・3乗、差で求める部分の面積 | 長さ・面積・体積のどれかを書く |
相似の意味から復習したい場合は、「図形の拡大・縮小と相似」のプリントから始めてください。テストに関数や二次方程式も入る場合は、中3数学・2学期期末テストの予想問題で、学校の範囲と合う問題を選びます。
実物画像で選ぶ|中3・11月の無料数学プリント4選
画像を押すと、その問題PDFが開きます。説明文と「プリント・解答一覧へ」ボタンから、解答や別の問題がある教材ページに進めます。画像は実際の問題PDFから作成しています。
重なった三角形の対応を探す

相似条件3つを確認し、重なった2つの三角形について、相似の記号と使った条件を答えます。
使い方:共通な角と印のある角から、対応する頂点をそろえます。最後に、使った条件を声に出して確認しましょう。
プリント・解答一覧へ部分・全体をそろえて計算

三角形と線分の比の性質を確認し、平行な線分を使って未知の長さを求めます。全体と部分の読み分けも練習できます。
使い方:点線が示す長さの範囲を確認します。「AB:AD」のように線分名を書いてから、数を代入しましょう。
プリント・解答一覧へ面積比と残った部分を求める

相似な三角形の周の長さ、辺の長さ、面積比を学びます。最後は小さい三角形と残りの台形の面積比を求めます。
使い方:面積比は相似比を2乗します。最後の問題は、部分どうしの比から全体との比へ直し、面積の差を考えます。
プリント・解答一覧へ2乗・3乗を使い分ける

相似な円柱の例題で面積比・体積比を確認し、立方体の辺の比、表面積比、体積比、表面積を求めます。
使い方:図の4と7は相似比を表す目安です。設問(4)ではAの1辺が2cmという条件から、Bの長さや表面積を計算します。
プリント・解答一覧へ①は相似条件と対応順、②は線分の長さ、③は面積、④は立体の比が中心です。③の最後には三角形と台形の面積比が出てきます。まず前半で基本を確かめ、未習の問題は後回しにしましょう。④の図の「4」「7」は、実際の長さではなく相似比の目安として読みます。
三角形の相似条件|対応する順番と理由をそろえる
相似では「長さが等しい」ではなく「長さの比が等しい」
一方の図形を拡大または縮小すると他方の図形と合同になるとき、2つの図形は相似です。相似な図形では、対応する辺の長さの比がすべて等しく、対応する角の大きさもそれぞれ等しくなります。
△ABC∽△DEFと書いたら、対応する頂点はA↔D、B↔E、C↔Fです。したがって、AB:DE=BC:EF=CA:FDとなります。見た目の左右や上下で組み合わせず、記号の順番から対応する辺を探しましょう。
△ABC∽△DEFで、相似比がABC:DEF=2:3、AB=8cmなら、8:DE=2:3です。DE=8×3÷2=12cmになります。大きい図形の対応する辺が8cmより長いか、答えの見通しも確認します。
三角形の相似条件3つを、合同条件と区別する
- 3組の辺の比がすべて等しい。
- 2組の辺の比と、その間の角がそれぞれ等しい。
- 2組の角がそれぞれ等しい。
例えば辺が3cm・4cm・5cmの三角形と、6cm・8cm・10cmの三角形は、対応する辺の比がすべて1:2なので相似です。「3組の辺が等しい」は合同の条件です。相似の条件を書くときに「比」を落とさないようにします。
2つ目の条件の「その間の角」も省略できません。ABとACの比を使うなら、間の角は∠BACです。辺2組の比が等しいだけでは、相似とはいえません。また、これらは三角形の相似条件で、一般の四角形にそのまま使うことはできません。
相似の証明は「2つの三角形→等しい角と理由→相似条件」
△ABCの辺AB上に点D、辺AC上に点Eをとり、D・Eはそれぞれ辺の内部にあるとします。DE∥BCのとき、△ADEと△ABCが相似であることを説明してみましょう。ノートに図をかき、DEとBCに平行の印をつけてから読みます。
△ADEと△ABCにおいて、
∠DAE=∠BAC(共通な角)
∠ADE=∠ABC(DE∥BCより、同位角は等しい)
よって、2組の角がそれぞれ等しいので、
△ADE∽△ABC。
相似がいえたら、AD:AB=AE:AC=DE:BCを使えます。相似を証明する問題で、まだ示していない相似関係を使って辺の比を出すと、説明が循環してしまいます。まずは仮定や共通な角、平行線の性質から理由をそろえましょう。
平行線と線分の比|「部分」と「全体」を混ぜない
同じ図でも、比べる線分によって式が変わる
上の図でAD=4cm、DB=2cm、AE=6cm、DE∥BCとします。ABはADとDBを合わせた6cmです。小さい三角形と大きい三角形の相似比は、AD:AB=4:6=2:3となります。
| 比較するもの | そろえる式 | 求められること |
|---|---|---|
| 小さい三角形:大きい三角形 | AD:AB=AE:AC | 4:6=6:ACより、AC=9cm |
| 上の部分:残りの部分 | AD:DB=AE:EC | 4:2=6:ECより、EC=3cm |
| 対応する平行な辺 | AD:AB=DE:BC | BC=12cmなら、DE=8cm |
AD:DB=DE:BCとはできません。左は「部分:残り」、右は「小さい三角形の辺:大きい三角形の辺」で、比較のしかたが違うからです。「4:2」と「4:6」のどちらを使うか、線分名を書いて確かめてください。
比例式a:b=c:dでは、b・dが0でないときad=bcになります。たとえば4:6=6:xなら、4x=36、x=9です。計算を急ぐ前に、xがACなのかECなのかを確認することが誤答防止につながります。
中点連結定理は、平行と「半分」をセットで使う
三角形の2辺の中点を結ぶ線分は、残りの辺に平行で、その長さは残りの辺の半分です。△ABCでDがABの中点、EがACの中点なら、DE∥BC、DE=BC÷2となります。
BC=14cmならDE=7cm。逆にDE=7cmとわかれば、BC=14cmです。ただし、DとEがただ辺上にあるだけでは中点連結定理は使えません。「AD=DB」「AE=EC」など、2つの中点である根拠を確認します。
中点の図を見つける練習には、「中点連結定理」の無料プリントも使えます。
面積比・体積比|長さはそのまま、面積は2乗、体積は3乗
相似な図形・立体の相似比がa:bなら、対応する長さの比はa:b、面積の比はa²:b²、体積の比はa³:b³です。図形や立体が相似であることが前提で、高さだけが2倍の円柱などにそのまま使うことはできません。
| 求める量 | 相似比が2:3のとき | 理由のイメージ |
|---|---|---|
| 辺・高さ・周の長さ | 2:3 | 対応する長さが同じ倍率になる |
| 面積・表面積 | 4:9 | 縦と横の2方向に倍率がかかる |
| 体積 | 8:27 | 縦・横・高さの3方向に倍率がかかる |
面積を求めるときは、先に面積比へ直す
相似な2つの三角形の相似比が小:大=2:3で、大きい三角形の面積が54cm²なら、面積比は4:9です。小さい三角形の面積は54×4÷9=24cm²になります。54×2÷3とすると、長さの比を面積に使った誤りです。
反対に、相似な図形の面積比が9:25なら、相似比は3:5です。9:25をそのまま辺の比にせず、正の数の比として平方根を考えます。
台形など「残った部分」は、全体から引く
△ABCの辺AB上にD、辺AC上にEがあり、DE∥BC、AD:AB=2:3とします。△ADEと△ABCの面積比は4:9なので、残りの台形DBCEに当たる面積の比の値は9−4=5です。
したがって、△ADE:台形DBCE=4:5です。4:9は「小さい三角形:全体」の比であり、「小さい三角形:台形」の比ではありません。面積が24cm²と54cm²なら、台形は30cm²となり、24:30=4:5でも確認できます。
体積は3乗、表面積は2乗
相似な立体A・Bの相似比が2:3なら、体積比は8:27です。Aの体積が40cm³なら、Bの体積は40×27÷8=135cm³。一方、表面積比は4:9なので、Aの表面積が80cm²ならBは180cm²になります。
「立体の問題だから全部3乗」と考えないことが大切です。立体でも表面積は面積なので2乗です。答えを書く前に、求めるものと単位(cm・cm²・cm³)を見直しましょう。
つまずき別|家庭での声かけと教え方
| よくあるつまずき | 戻って確認すること | 声かけの例 |
|---|---|---|
| 対応する辺がずれる | 相似の記号から頂点を対応させる | 「Aの相手はどこ? Bの相手は?」 |
| 合同条件を書いてしまう | 長さの等しさと、比の等しさを区別 | 「大きさが違っても使える条件かな?」 |
| 証明が書けない | 等しい角の組と、その根拠を分ける | 「共通な角は? 平行からわかる角は?」 |
| 部分と全体を混ぜる | 全体の長さを図に書き込む | 「この6cmはどこからどこまで?」 |
| 面積にも2:3を使う | 求める量を先に書き、面積比に変える | 「今求めているのは長さ? 面積?」 |
| 台形の面積比を間違える | 全体・小さい三角形・残りを区別 | 「全体が9なら、4を取った残りは?」 |
| 表面積を3乗する | 立体の表面積と体積を分ける | 「表面をおおう広さ? 中に入る量?」 |
保護者がすぐに式を教えるよりも、子どもに線分を指でたどってもらい、図と式の対応を説明してもらうと、迷った場所がわかります。1問を直したら、同じ型の問題を1問だけ自力で解き、説明なしでも進められるか確認しましょう。
中3・11月数学|4週間の家庭学習例
1回15〜20分、週3〜4回を目安にした例です。プリントは必ずしも1回で1枚終える必要はありません。学校のワークで間違えた内容に近い問題だけ選んでもかまいません。
| 週 | 学習内容 | 使う教材・できたかの目安 |
|---|---|---|
| 1週目 | 相似の意味、対応順、相似条件 | ①のプリント。相似の記号と使った条件を言える |
| 2週目 | 平行線と線分の比、中点連結定理 | ②と中点連結の教材。部分・全体をそろえて式を立てられる |
| 3週目 | 面積比、台形など残りの部分 | ③のプリント。2乗してから面積を求め、全体との差も扱える |
| 4週目 | 表面積比・体積比、範囲に合う総復習 | ④と確認問題。2乗・3乗を選び、間違えた理由を説明できる |
1回の学習は「確認→演習→直し」で進める
- 3分:前回間違えた1問や、相似条件を確認する。
- 8〜10分:プリントから2〜4問を選び、図と式を残して解く。
- 4〜7分:解答で確認し、誤りを「対応」「比の立式」「計算」「条件・理由」に分けて直す。
翌日以降に、答えを見ずに同じ問題を解き直します。テストが近い場合は、学校の範囲表とワークを先に確認し、出題範囲の問題を優先してください。
確認問題8問|相似・線分比・面積比・体積比
図が必要な問題は、条件に合う図をノートにかいてから解きましょう。答えだけでなく、対応する線分名や使った条件も残します。まだ習っていない問題は飛ばしてかまいません。
- △ABC∽△DEFです。辺BCに対応する辺を答えなさい。また、相似比がABC:DEF=3:5、AB=9cmのとき、DEを求めなさい。
- ある三角形の3辺は4cm・6cm・8cm、もう一方は6cm・9cm・12cmです。これらは相似ですか。使った条件と、小さい三角形から大きい三角形への相似比を答えなさい。
- △ABCの辺AB上にD、辺AC上にEがあり、D・Eは辺の内部にあります。DE∥BCのとき、△ADE∽△ABCとなる理由を、等しい角を2組示して説明しなさい。
- 問題3と同じ配置で、AD=3cm、DB=2cm、AE=4.5cmです。ACとECをそれぞれ求めなさい。
- △ABCで、D・Eはそれぞれ辺AB・ACの中点です。BC=18cmのとき、DEの長さと、DE・BCの位置関係を答えなさい。
- 相似な2つの三角形の相似比は小:大=3:5です。大きい三角形の面積が100cm²のとき、小さい三角形の面積を求めなさい。
- △ABCの辺AB上にD、辺AC上にEがあり、D・Eは辺の内部にあります。DE∥BC、AD:DB=2:1のとき、△ADEと台形DBCEの面積比を求めなさい。
- 相似な立体A・Bの相似比はA:B=2:3です。Aの表面積が24cm²、体積が8cm³のとき、Bの表面積と体積を求めなさい。
解答・解説
- 辺EF、DE=15cm。B↔E、C↔FなのでBCに対応する辺はEFです。AB:DE=3:5より、DE=9×5÷3=15cm。
- 相似。3組の辺の比がすべて等しい。相似比は2:3。4:6=6:9=8:12=2:3になります。辺の長さそのものは等しくなくても、対応する辺の比がそろえば相似です。
- 2組の角がそれぞれ等しいから。△ADEと△ABCにおいて、∠DAE=∠BAC(共通な角)、∠ADE=∠ABC(DE∥BCより、同位角)。よって△ADE∽△ABCです。
- AC=7.5cm、EC=3cm。AB=3+2=5cm。AD:AB=AE:ACなので3:5=4.5:AC、AC=4.5×5÷3=7.5cm。EC=7.5−4.5=3cmです。
- DE=9cm、DE∥BC。三角形の2辺の中点を結ぶ線分なので、中点連結定理よりDE=18÷2=9cmで、BCに平行です。
- 36cm²。面積比は3²:5²=9:25。小さい三角形の面積は100×9÷25=36cm²です。
- 4:5。AD:AB=2:(2+1)=2:3。△ADEと△ABCの面積比は4:9です。台形の部分は全体から小さい三角形を引いた9−4=5に当たるので、4:5となります。
- 表面積54cm²、体積27cm³。表面積比は4:9なので24×9÷4=54cm²。体積比は8:27なので8×27÷8=27cm³。表面積と体積では、使う比と単位が異なります。
1〜3で迷ったら①、4で迷ったら②、5は中点連結定理、6〜7は③、8は④へ戻りましょう。正解数だけでなく、「どの対応・条件で迷ったか」が次に使う教材を選ぶ手がかりです。
よくある質問|定期テスト・高校入試につなげるには?
相似条件を覚えているのに証明が書けません
まず、示したい2つの三角形の名前を書き、図からわかる角の等しさや辺の比を抜き出します。それぞれに「仮定」「共通な角」「平行線の同位角」などの理由を添えましょう。最初から長い証明を完成させるより、必要な2組の角を見つける練習から始めると取り組みやすくなります。
図が回転していると、対応がわからなくなります
角の印や等しい角度を手がかりに、対応する頂点を先に決めます。重なった図から2つの三角形だけを別々にかき出す方法も有効です。大きさや向きの見た目だけで、辺を組み合わせないようにしましょう。
面積比が出たら、いつも2乗すればよいですか?
相似比から面積比へ直すときに2乗します。面積比がすでに与えられている場合、さらに2乗してはいけません。また、高さが等しい2つの三角形では面積比は底辺の比に等しくなるため、相似を使う場面か、面積の公式を使う場面かも見分けます。
入試対策は、すぐ難しい総合問題へ進めるべきですか?
まずは学校の範囲で、相似の対応、線分比の立式、証明の理由を安定させます。その後に、複数の三角形が重なった問題や、面積比を組み合わせる問題へ進みましょう。解けなかったときは、補助線の発想だけでなく、基本の対応関係を正しく拾えていたかも確認してください。
関連する無料プリント
11月の家庭学習では、図に印をつける、線分名をそろえる、求める量を確認する、という小さな手順を繰り返しましょう。授業の進度に合うプリントで、答えと理由の両方を確かめることが、相似を使いこなす土台になります。
学習時期の参考:東京書籍「令和7年度用 新編 新しい数学」3年 年間指導計画(令和7年1月29日版)。掲載教材は各紹介ページと問題・解答PDFを確認しています。学習時期やテスト範囲は、使用する教科書・学校の案内を優先してください。


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