文部科学省は6月14日、各都道府県教育員会等に、新型コロナウイルスの影響等を踏まえた2023年度（令和5年度）以降の高校受験時の入学者選抜等における配慮等について通知した。状況に応じた感染症対策の徹底のほか、PCR検査結果等の陰性証明や新型コロナワクチンの接種を受検要件にしないよう配慮することを求めた。特定の受験者が不利益を被らないようにすることが望まれている。

状況に応じ、適切な感染症対策を

文部科学省は2022年6月14日、各都道府県教育員会等に、新型コロナウイルスの影響等を踏まえた2023年度（令和5年度）以降の高等学校入学者選抜等における配慮等についてまとめた事項を通知した。

試験会場における感染症対策については、今後の感染状況の推移や、新型コロナウイルスに関して今後新たに得られる知見、最新の政府の方針等も踏まえながら必要に応じて見直し、それぞれの地域や試験会場、試験方法に見合ったものを講じていく。

また、試験会場で感染症対策を十分に講じたとしてもなお、実施が難しい場合には、自治体の衛生主管部局と相談のうえ、試験の延期を検討することも考えられる。このような事態が生じる場合に備え、実施者は、入学志願者への連絡方法や問い合わせ窓口の設置、関係機関との連携・協力体制の構築、延期した場合の試験方法等について、あらかじめ検討・準備しておくことが必要とされている。

受験者が不利益を被らないような配慮が必要

また、入学志願者がPCR検査結果等の陰性証明を提出しなかったり、新型コロナワクチンを接種していなかったとしても、当該事由をもってこれらの者が不利益を被ることがないよう求めた。

入学者選抜において調査書を活用する場合も、新型コロナウイルスの影響によって特定の入学志願者が不利益を被ることがないよう、記載する事項や内容についても配慮する。特に配慮が求められているのは、出席等に係る日数の記入欄を設ける際の、臨時休業や分散登校、出席停止等に伴う当該欄への記載内容だ。

新型コロナウイルス感染などにより試験が受けられなかった入学志願者に対しては、追試験の実施や調査書等の書類のみでの選考など、柔軟な対応の検討も求めている。

その他、試験会場等の警備体制の確認、危機対応マニュアル等の周知徹底等、受検生の安全確保に細心の注意を払うよう努めることについても通知。試験室内の適切な巡視を行う等、公平な入学者選抜の実施のための取組みについても、必要に応じて見直しながら、各実施者の実情に応じた形で行うことを要請している。

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