各地の学校で、体育の授業中などに熱中症で搬送される児童・生徒が相次いでいる問題を受け、文部科学省は6月10日、体育の授業及び部活動での運動中、また登下校時のマスク着用を不要とする旨を全国の教育委員会に通知した。
同省は5月にも同様の通知を出していたが、搬送事案がその後続発したため、再度の徹底連絡となる。

マスク着用による熱中症のリスク回避へ

10日、文科省は全国の教育委員会へ、体育の授業や部活動の運動中、夏場の登下校時は熱中症対策を優先してマスクを外すよう指導することを求めた。熱中症は命に関わる問題であり、その危険性に関する指導についても併せて要請。保護者らの理解や協力を得ることも求めた。
また、マスクを外す際は近距離での会話を控えるなど、引き続きのコロナ対策も併せて行っていく。

末松信介文科相は10日の閣議後記者会見で「学校生活でのマスク着用について熱中症対策を優先させてほしいと繰り返し伝えてきたが、救急搬送される事案が複数発生し、非常に憂慮している」と指摘した。 さらに「マスク着用不要でも、子どもがマスクを着けているのは知ってる。他の人の目を気にしている部分も少なからずあるのだろう。引き続き丁寧に説明していく必要ある」と述べた。

マスク不要は5月にも通知済み

文科省は5月にも夏場の登下校時はマスクを外すことを指導するよう促し、体育の授業ではマスク着用の必要はないとする事務連絡を出していた。また、体育については屋外の運動場のみではなく、屋内のプールや体育館での授業時もマスク不要としていた。5月24日の閣議後記者会見においても、末松文科相は「近距離での会話には注意し、マスクを外すこと、これについて周知する。感染対策と学びの継続もあるが、熱中症対策も重要」と述べた。

脱マスクが進まずこれまで、相次いだ搬送事案も

しかしその後の脱マスクの動きは鈍く、各地の学校で子どもが緊急搬送される事案が相次いだ。
気温が高い日が増えている中、マスクを着けたまま体育の授業を受けたことで熱中症を発症したものと見られている。熱中症は命を落とす可能性もある非常に危険な病気でもあるため、この度再度の通知が文科省より発令された。
また、3つの密の回避、ソーシャルディスタンスの確保、手洗い等の手指衛生、換気といったコロナ対策は引き続き徹底を継続することも求めている。

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