千葉市にある民間の認可保育所で、子どものおむつや着替えなどを無料で提供するサービスが開始された。保護者の負担を減らすためのこの取り組みに対し、「手ぶらで子どもの送迎ができる」と早速歓迎する声が上がっている。

子どもが利用する身の回りのものを無料提供

千葉市中央区にある民間の認可保育所で、おむつや着替えなど、子どもが利用する身の回りのものを無料で提供するサービスが始まった。その他、昼寝用の布団やエプロン、お尻ふきなども提供するほか、着替えに関してはクリーニングまで請け負っている。

このサービスの目的は、保護者にかかる負担の削減だ。おむつや着替えの用意が不要になることにより、名前を書いたり洗濯をしたりする必要も自ずとなくなる。つまり子どもの送り迎えの際、保護者は手ぶらで保育所に通うことができる。

保護者の間からは、実際に歓迎の声が多数上がっている。同保育所に2歳の娘を預ける母親は「精神的、経済的、体力的に助かる。気温に応じた着替えを選ぶプレッシャーがなくなり、心の余裕も増えた」と語った。

新たなサービスは開始されたものの、保育所の利用料金は市内のほかの認可保育所と変わらない。運営会社・ハイフライヤーズによると、保育士の採用活動や備品配送の効率化によってコストを削減し、無料サービスにかかる、1ヶ月で園児1人あたり最大7,000円程度を捻出したとのこと。

同社の吉田りえ事業企画本部長は「保護者には子どもに向き合う時間を持ってもらい心に余裕を持ってほしい。利用者に選んでもらえる保育所になるようなサービスを提供したい」と話している。

すべての認可保育所でサービスの底上げを

千葉市では、保育所などの空きを待つ待機児童が11年前の2011年には350人ほどいたものの、その後減少して、現在は待機児童ゼロとしている。こうした状況により、保育所独自のサービスが利用者の大きな選択基準になっていくのではないかという声が上がっている。

一方で、保育や子育て支援に詳しい恵泉女学園大学の大日向雅美学長は「こうした取り組みで親がリラックスして子どもと手をつないで通えるようになるのはいいことだと思う。ただ、待機児童が少なくなるなか、一部の園が選ばれるために行うサービスではなく、すべての認可保育所が行う当たり前のことになるように、行政側も運営費の補助などを検討してほしい」と話している。

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