子どもが一日の多くの時間を過ごす保育園。
ママやパパが仕事を終えてお迎えに行ったとき、「帰りたくない!」と言われてしまって困ったことはないでしょうか。
朝保育園に送って行ったときには大泣きして離れなかったのに、お迎えに行ったときには「もっと遊びたかった」と泣かれてしまうという悩みは多くのママやパパが経験したことがあるものです。
せっかく急いでお迎えに行ったのに、大声で泣かれてしまうとショックを受けますよね。「子どもに嫌われているのでは?」と不安になったり、いつまでも帰らない子どもにイライラしてしまうこともあるかもしれません。
この記事ではお迎えのときに子どもが泣く理由や、そんなときはどのように対応したら良いのかについて解説します。
この記事は保育士・介護福祉士の資格を保有するhiiが担当。約10年に渡って認可保育所、児童発達支援施設等に勤務し乳幼児の保育・療育に携わる。現在は特別支援学校に勤務する傍ら、ライターとして子育て・保育などに関する記事執筆を行っている。
この記事の目次
お迎えのときに子どもが泣く理由
なぜ、子どもはお迎えに行ったときに保育園から帰りたがらないのでしょうか?
朝、泣いている子どもを保育園に預けて仕事へ行くのはママやパパにとって辛いことです。忙しくて時間がないということもあり、ゆっくり話す時間もなく大泣きしている状態で子どもを置いていかなければならないのは心が痛みますよね。
保育園で別れたときに泣いていた子どものことが気になり、急いでお迎えに行ったという経験は誰もがしているのではないでしょうか。
しかし、仕事が終わってお迎えに行くと今度は「帰りたくない!」と泣かれてしまうため困っているママやパパは多いです。
もちろん、子どもはママやパパが嫌いなわけでも、本気で家に帰りたくないわけでもありません。お迎えのときに泣いたりぐずったりするのには子どもなりの理由があるのです。
遊びを中断したくない
子どもはママやパパと別れるときには寂しくなって泣いてしまうことがありますが、保育園に来てしばらく時間が経つと気持ちを切り替えて楽しく遊ぶことができます。
保育園では、子どもの多い時間帯にはどうしても生活の流れや集団としての動きが優先されるため、なかなか一人ひとりの希望に全て応えることは難しい場合があります。
そのため特に保育時間が長い子どもは、保育士とゆっくり関われたり好きな遊びができる夕方の時間を楽しみにしていることも多いのです。
お迎え時間が遅い場合、遊びがマンネリになるのを防ぐために子どもの人数が少なくなると日中とは違うおもちゃを出して遊ぶこともあります。
お迎えの時間にちょうど遊びが盛り上がっている場合があるため、「もっと遊びたい」という気持ちになることもあるのでしょう。
夢中になっている遊びを中断したくない気持ちから、泣いてしまう場合があるのです。
ママやパパに甘えたい
「帰りたくない」というのは保育園に慣れた証拠であり、嬉しいことでもあります。
それでも子どもにとってはママやパパといることが一番幸せなことです。お迎えに来てくれたことで安心し、甘えたい気持ちからワガママを言いたくなることがあるのです。
疲れからイライラしたり、八つ当たりしてしまうこともあります。
子どもは毎日、保育園でたくさんのお友達といっしょに頑張って集団生活を送っていますよね。保育園では自分でできることも、家では全部やって欲しいと言うので困るというのはよく聞く話です。
子どももママやパパと同様に保育園でたくさん頑張っているので、お家ではぜひたくさん甘えさせてあげてくださいね。
お迎えで子どもが泣いてしまうときの対処法
それでは、次に子どもが泣いてしまったときにはどのように対応すれば良いかについて解説します。
急いでいるときには難しい場合もありますが、できることなら子どもが自分で遊びを終わりにして納得して帰ることが一番ですよね。
困ったときには、まずは以下の方法を試してみてください。子どもによってどんな対応が良いのかは変わりますが、良い方法が見つかれば子どもも大人も気持ちよくお家に帰ることができるかもしれません。
遊びの終わりを明確にする
子どもが夢中になっている遊びがある場合は、どうなったら終わりにするかを明確に伝えてみましょう。
子どもには子どものタイミングがあるため、大人の都合でいきなり遊びを終わらせようとすると納得するのは難しくなります。
例えば、「あと◯回やったらおしまいにしようね」「このゲームが終わったら帰ろう」など、具体的に話すことが大切です。
事前に予告しておくことで、いきなり切り上げられるよりも「そろそろおしまいだな」と心の準備ができます。
時計が読めるようになったら、「◯時になったら帰ろう」と伝えても良いでしょう。
終わるときに子どもが嫌がった場合にも、「お約束したからおしまいだよ」と伝えることができるので約束を守ることを教えることにもつながります。
家での楽しみを用意する
子どもがなかなか帰りたがらないときには、「家に帰ったら◯◯しよう」と誘ってみましょう。
今やっている遊びに意識が集中している子どもにとって、家に帰ってからどんなことをするのか見通しが持てることで次の行動へ移行しやすくなります。
特別なことをする必要はなく、家でいつもやっている好きな遊びなど、ムリなくできるちょっとした楽しみでも子どもは喜んでくれますよ。
自分の気持ちを子どもに伝える
「お迎えに行ったときに怒ったらママは悲しい」など、子どもに自分の気持ちを正直に伝えるのも良いでしょう。
泣いているときには伝わりづらいので、帰り道などの子どもの気持ちが落ち着いているときに話してみてください。
これは子どもに何かを伝えるときに効果的な「Iメッセージ」という方法です。
Iメッセージとは、「私は◯◯だと思う」と自分を主語にして話す方法です。「◯◯してはダメ」ではなく、「◯◯をしたらママは悲しいな」と表現することで子どもの心に伝わります。
子どもは大好きなママやパパが悲しむことはしたくないと感じています。普段から「ママは嬉しいな」「ママは◯◯だと思う」とIメッセージで伝えることで、子どもは自分や相手の気持ちを考えられるようになっていくでしょう。
保育士と協力する
保育士はこのような場面に慣れているので、困ったときには協力してもらいましょう。
第三者に声をかけてもらうことで、気持ちが切り替わり素直に聞き入れられることもあります。
保育士は子どもの上手な誘い方を知っていますので、迷惑ではないかと心配したりせずにぜひ協力してもらってくださいね。
子どもが帰りたがらないときにしてはいけない対応とは
子どもがいつまでも遊びをやめず、帰る時間が遅くなっていくとついイライラしてしまうこともありますよね。
疲れて仕事から帰り、この後の予定も詰まっている中では当然のことです。
そんなときにもしてはいけない対応についてご紹介します。保育園のお迎えだけではなく、さまざまな場面にも応用できますのでぜひ参考にしてみてください。
怒ったり叱ったりする
先述したように、「帰りたくない」と言うのには子どもなりのさまざまな理由があります。
その気持ちを否定されたり怒られたりしてしまうと、子どもはママやパパに自分の気持ちを分かってもらえないと感じてしまい悲しいものです。
子どもにやってはいけないことを伝えるときなどにも、目を見て淡々と真剣な表情で伝えることが大切になります。大きな声で怒ったり叱ったりしてしまうと、子どもに伝えたい内容が伝わらなくなるためです。
感情的になるとお互いにイライラして余計に事態が悪化してしまうため、できるだけ冷静に対応しましょう。
「置いて帰るよ」と言う
「置いて帰るよ」「勝手にしなさい」などの言葉は子どもに対して使わないようにしたいものです。
子どもにとってママやパパに置いていかれるということは大げさではなく命に関わることです。
大人は何気なく言ってしまうこともあるかもしれませんが、子どもにとっては脅しとなってしまうのです。
実際に置いて帰ることはないので嘘を言っていることにもなり、子どもが親の言葉を信用できなくなってしまうことにつながります。
このような間違ったコミュニケーションを学んでしまうと、成長にしたがって友達に対して「◯◯してくれないと遊んであげない」などの発言をするようになってしまうので注意しましょう。
ムリヤリ連れて帰る
遊びから引き離し抱っこして帰ろうとするなど、ムリヤリ連れて帰ろうとすると子どもは余計にイライラしてさらに泣いてしまいます。
急いでいるとつい手っ取り早い方法だと考えてしまいますが、子どもにとってはかえって納得するのに時間がかかってしまうことになります。
家に帰ってからも長引いてしまうこともあるので、その場できちんと納得してもらうことが大切です。
おわりに:保育園で頑張っている子どもの気持ちを受け止めよう
子どもに「帰りたくない!」と言われてしまうと悲しい気持ちになりますが、帰りたがらないのは子どもが保育園で楽しく過ごしているということでもあります。
ママやパパといっしょにいたい気持ちに折り合いをつけ、お友達や保育士との遊びに夢中になることができるのは大きな成長の証です。
お迎え前の夕方は日中とは違うおもちゃで遊ぶことができたり、少人数でゆっくり過ごすことができる時間です。
遊びの途中であったり夢中になって遊んでいるときにお迎えが来たときには、「もっと遊びたい」という気持ちになってしまうのは当然かもしれません。そのため、お迎え時間が遅い子どもの方が帰り際に泣くことが多いのでしょう。
活動の切れ目にお迎えが来た場合、子どもは泣いたり嫌がったりすることなくスムーズに帰れることがほとんどです。
決して本当に家に帰りたくないわけではなく、ママやパパが来たことで安心して甘えたくなるのだと理解してあげてくださいね。
気持ちを受け止めてもらえることで、子どもはさらに大きく成長します。ぜひ一日の終わりには「今日も保育園でたくさん頑張ったね」と子どもをたくさん褒めてあげましょう。
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