「連絡帳の文章が思いつかない」
「時間がない中で書くことがまとまらず、うまく伝わらない」
保育園での保護者とのやりとりに欠かせないのが連絡帳です。
連絡帳の記入は保育士にとって毎日の大切な仕事の一つですが、園でのできごとや連絡事項などをどのように書けば良いのか迷うこともあるのではないでしょうか。
連絡帳を通して保護者との信頼関係を築くことで、安心して子どもを預けてもらうことができます。保育園は保護者にとって、育児で困ったときにいつでも相談できる存在でありたいものです。
連絡帳は保護者とのコミュニケーションや情報共有を円滑にするための手段のひとつです。
しかし、書き方によっては保護者とのトラブルにつながってしまったり、信用を失ってしまう可能性もないとは限りません。
そこでこの記事では連絡帳の持つ役割や、保育士が伝わりやすい連絡帳を書くコツなどについて解説します。
この記事は保育士・介護福祉士の資格を保有するhiiが担当。約10年に渡って認可保育所、児童発達支援施設等に勤務し乳幼児の保育・療育に携わる。現在は特別支援学校に勤務する傍ら、ライターとして子育て・保育などに関する記事執筆を行っている。
この記事の目次
保育園の連絡帳の役割
保護者と毎日やりとりをしている保育園の連絡帳は、何のために必要なのでしょうか?
連絡帳は大切な役割をいくつも持っています。
しっかりと要点をおさえた連絡帳を書くためには、連絡帳を書く理由を把握することが大切です。
まずは保育園の連絡帳の役割について確認しましょう。
子どもの情報を共有する
一つは、子どもに関する情報を園と保護者で共有することです。
連絡帳には睡眠、食事、排泄などの子どもの情報を記入する欄があります。乳児クラスでは特に生活リズムの安定が重要なため、これらの項目に詳しい記入欄が設けられていることも多いでしょう。
これらの健康状態に関する情報は、家庭と園で密に共有することが大切です。
家庭での生活の様子や体調を知ることで、保育士は園での日中の子どもの様子を把握しやすくなります。
保護者が園での様子を把握する
保護者は連絡帳を通して園での遊びや生活の様子を知ることになります。そのため、誤解やすれ違いが起こらないよう伝わりやすい文章で書くことが大切になります。
友達とのやりとりの様子や新しくできるようになったこと、子どもの気持ちの変化などを日々丁寧に伝えることで、園での生活を保護者により具体的にイメージしてもらえます。
また、子どもは保育園での集団生活の中で、家庭とは違う姿を見せることもめずらしくありません。例えば家では食べない野菜も、保育園で先生や友達と一緒であれば食べられることはよくありますよね。
そのようなエピソードも、保護者にとっては子どもの家庭とは違った新たな一面を知ることのできる大切な情報です。
保育士が子どもの姿を掴む
連絡帳を通して伝わる保護者からの情報は、保育士が子どもを把握するヒントにもなります。
たくさんの子どもたちを同時に保育をしている保育士にとって、子どもたちに関する情報は膨大なものです。
子どもを誰よりも知る保護者が記入してくれる家庭でのエピソードは、保育士にとって子どもの性格や特徴を掴むときに参考になります。
また家庭での様子を知ることで、園で子どもの興味のある遊びを展開したり、会話のきっかけにしたりとスムーズに子どもと関わることができます。
連絡帳の伝わりやすい書き方のコツ
連絡帳は園と保護者とのコミュニケーション手段の一つです。忙しい保護者であれば、登園や降園のときにはなかなかゆっくり時間を取ってお話することができない場合もあります。
保護者は連絡帳から子どもの園での様子や健康状態などの多くの情報を知るため、分かりやすく読みやすい内容でなければなりません。
伝わりやすい文章を意識することで、誤解を防ぐことにもつながります。
ここでは、伝わりやすい連絡帳を書くときに意識することについて解説します。
5W1Hを使用する
5W1Hは、「いつ(When)・どこで(Where)・誰が(Who)・何を(What)・なぜ(Why)・どうやって(How)」の要素を組み入れた文章作成の方法です。
具体的に分かりやすく状況説明ができるため、子どもの園での様子を伝える文章を書くときに最適です。
連絡帳で子どもの様子を伝える文章を書く際には、この5W1Hの要素が入っているかを確認してみましょう。一言でも抜けていることで文章の意味が変わってしまうこともあるため注意します。
小さなエピソードでも具体的に書くことで、その場面がイメージしやすくなり伝わりやすくなります。
園での様子やできごとを書く
保護者は日中の園での子どもの様子を知りたいと思っています。
子どもの成長を感じた場面や、お友達や周りの人とのやりとりの様子などをできるだけ詳しく伝えられるようにしましょう。
そのためには子どもたち一人ひとりを「今日はどんなことをしているかな」「いつもと違うところはないかな」と観察することも大切です。子どものふとした言葉や思わず笑顔になった行動なども盛り込むと、保護者が読んでも楽しめるものになります。
保育士ならではの視点で、その日の子どものハイライトとなるシーンを見つけましょう。
保護者のコメントに返信する
保護者からのコメントには必要に応じて返信をしましょう。
質問などが書かれていた場合は必ず返信し、必要な情報を提供します。
保護者は育児と仕事を両立していく中で、悩みや不安を抱えていることもあるのが当然です。連絡帳にちょっとした愚痴や相談などが書かれている場合は、保護者の気持ちに寄り添った丁寧な返信ができると良いですね。
もしも深刻な内容の場合は担任であっても自分だけで判断せず、園全体で共有することも大切です。大きな問題に発展することを未然に防ぐことにつながります。
また日頃から家での様子などの内容に簡単な一言でも返信することで、信頼が積み重なり保護者にとって気軽に相談しやすい関係作りにつながります。
年齢ごとの連絡帳の記入事項
連絡帳に記入するべき内容は、年齢によって少しずつ変わります。
0歳児
健康状態や、生活リズムに関する記述が中心になります。
お昼寝の時間やミルク・離乳食の状況も月齢などによって一人ひとり違うため、時間帯や状況について具体的に詳しく伝えられると良いでしょう。
0歳児は日々成長するため、「寝返りをした」「つかまり立ちをした」などの初めてできるようになったことに立ち会った場合は連絡帳を通して喜びを共有できると良いですね。
1〜2歳児
少しずつ生活リズムが安定し、健康状態についての記述は減っていきます。
さまざまなことに興味が出てくる年齢であるため、楽しんでいた遊びなどについて共有しましょう。
自己主張が増えてくる時期なので、子どもの感情表現や話した言葉などについて具体的なエピソードで伝えます。
3歳児以上
幼児クラスになると、連絡帳の記入が簡略化されることも多いでしょう。
遊びの様子や友達との関わりを中心に、子どもの心の動きがわかるように伝えられると良いですね。
この時期になると子どもが園であったことを自分の言葉で保護者に伝えることもできるようになります。
保育園の連絡帳を書くときに注意したいポイント
次に、連絡帳を書くときの注意点についてです。
同じ内容を伝える場合であっても、直接話す場合に比べて文章では伝わりづらく誤解が生まれてしまうこともあります。
そのようなトラブルを避けるためにも、以下の3つのポイントを押さえておきましょう。
誤字脱字をしない
誤字脱字は保護者に悪い印象を与えてしまうため細心の注意をしましょう。特に子どもの名前や漢字を間違えることがないように気をつけます。
同時に言葉遣いにも留意しましょう。砕けすぎた言葉は避け、親しみを持ちながらも丁寧な言葉で表現するようにしましょう。また、たとえ忙しくても丁寧な字で書くことを心がけることが大切です。
連絡帳を丁寧に書くことで、保護者にとっては「きちんと子どもを見てもらえている」という安心感を持つことにつながります。
ネガティブな表現は避ける
園でのできごとや子どもの様子を伝えるときは、ネガティブな表現にならないように気をつけます。
「◯◯ができなかった」と書くよりも、「◯◯をしようと何度もチャレンジしていました」と伝える方が、同じできごとでも保護者も前向きに捉えることができます。
子どもの行動などで気になる点や相談したいことがあった場合は、内容によっては連絡帳で質問してみても良いですが、できるだけ保護者と直接会って話せるときに伝えましょう。
保護者が読んで不快になったり過度に心配になったりするような表現は避けることが大切です。
トラブルは口頭で伝える
園での怪我やお友達とのケンカなどのトラブルは、連絡帳のみでの報告は避けましょう。
連絡帳にも必ず記載した上で、保護者のお迎えの際にトラブルの内容を丁寧に説明して直接謝罪します。
文面だけでは誤解が生じる恐れもあるため、必ず顔を見てお話しするようにしましょう。
おわりに:連絡帳を活用して保護者とスムーズにコミュニケーションを取ろう
連絡帳をうまく活用することで、保護者とのコミュニケーションを円滑に行うことができます。
必要な情報が分かりやすく記載されていること、園での子どもの様子が保育士の温かい視点で生き生きと伝わることで、保護者は園を信頼して子どもを預けることができます。
いつでも十分に対面でのコミュニケーションが取れる状況ばかりではないことを考えると、連絡帳の役割はとても大きなものです。
連絡帳を書くコツを意識することで、忙しく時間がない中でも伝わりやすい文章を書くことができます。
日々のやりとりを楽しみながら、連絡帳を活用して保護者に寄り添うことのできる保育者を目指しましょう。
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