『発達障害の子どもへの算数の教え方は?』
『特別支援教育で算数はどんな勉強方法がいい?』
『子供と算数の宿題をするけど時間がかかる』
『教え方がわからない』
『発達障害の子におすすめの算数プリント・ドリルは?』
と悩むこともありますよね。
子供が理解できるように説明することは意外と難しいですよね。
実は学校の先生でも悩むことが多いのですよ。
そこで、本記事では、特別支援学校で教員を務めていた筆者が、発達障害のお子さんがどのようなつまずきがあり、どのように教えたら算数の理解が深まりやすいのかというコツをお伝えします。
さらに、教えるときについやってしまいがちな注意点もご紹介します。
本記事を読むと、お子さんのつまずきがわかり、楽しく算数の力を伸ばすアイディアがわいてくるようになりますよ。
この記事の目次
発達障害のお子さんに算数が苦手な子が多い理由
算数が苦手なお子さんに共通しているのは、抽象的な思考のつまずきです。
抽象的な思考とは、簡単に言うと形やものに表せないものです。
まさに、紙の上で数字をあつかう算数は抽象的な思考のオンパレード。
算数が苦手な子は、どうしても紙面上だけでは、イメージができないので、どのように考えたらよいのかわからなくなってしまうのです。
でも、安心してください。
時間はかかるかもしれませんが、お家でもできる算数脳を鍛える方法があります。
自宅でできる算数の理解を深める教え方のコツ
少しの工夫でお子さんのやる気を高めつつ、抽象的な考え方に慣れていく方法があります。
絶対に解ける問題から始める
私たちのやる気や集中力は、何かきっかけがないと上がらないようになっています。
そのやる気を高める方法として絶対に解ける問題を解くことがとても大切です。
百マス計算でも良いですし、簡単な算数の問題3つでも構いません。
ポイントは、その子が絶対に解ける問題にするということです。
最初はやる気がなかったけど、少しやってみたら意外と長く集中できたという経験はありませんか?
運動前にストレッチなどのウォーミングアップが重要なのと同じように勉強にもウォーミングアップは必要です。
実は、ちょっと作業をすることでやる気物質であるアセチルコリンが分泌されます。
また、発達障害のお子さんは、学校で友達についていけなくて悔しい思いをしていることがあります。
そのため、「がんばりたいな」という気持ちが薄れ、「どうせ自分なんて」という気持ちが強くなる子もいます。
絶対に解ける問題を最初に行うことで、ネガティブな気持ちをやわらげて、やる気を起こすきっかけになるのです。
だから、絶対に解ける問題を最初に取り組むことは、気持ちの面でも脳科学の面でも理にかなっているのです。
具体的な物を使ってイメージを補いながら説明する
発達障害のお子さんは抽象的な思考が苦手です。
そのため、具体的なものを見せながら説明しましょう。
例えば、足し算や引き算、分数の問題などで本物のリンゴを用意して数を数えていくと理解が深まります。
他にも、図形の問題では、実際に図形を一緒に作りながら学習を進めると図形独特の空間や広さの感覚をつかむことができますよ。
具体物は、実際に触りながら考えることができるので、体験として頭に残りやすくなります。
実は、私たちの五感の内、触覚が最初に発達する感覚です。
赤ちゃんは何でも口に入れたり、手で触ったりして情報を拾っていますよね。
私たちの学びも同じで、触るという感覚は学習の理解に不可欠なのです。
大人が焦ると、やり方や公式を暗記させようとしますが、理解しないと覚えることは難しいです。
むしろ算数の苦手意識を強めてしまいます。
算数の考え方が身についてきたら、イラストでも理解できるようになるので、最初はぜひ具体物を用意してください。
繰り返すことでだんだんと抽象的な思考ができるようになります。
日常にある算数要素を発見して算数の面白さに触れる
算数は、生活経験の差で理解力が変わる科目です。
日常的に算数に触れておくと見方や考え方が身についていきます。
といっても、難しいことはありません。
例えば、おやつを「はんぶんこだね」と言って分けるなど、算数を意識した言葉かけで十分です。
他にも、料理のときに調味料を量ったり、タイマーで時間を計ったりする役割を子どもに任せることで自然と算数を学ぶことができます。
小学校低学年のお子さんなら「大きいね」「小さいね」という言葉かけも算数の概念につながる言葉かけです。
分数を教えるときも、ピザやケーキを使ってわけて教えるのもおすすめです。
【注意!】算数嫌いになる教え方
「お子さんのためを思って伝えたことがかえってやる気をなくしてしまった。」というのは、よくあることです。
そこで算数を好きになるために、避けておきたい3つのことをご紹介します。
ネガティブな言葉かけ
お子さんに期待をかけるあまり、つい「早く!」や「なんでわからないの?」という言葉をかけていませんか?
算数が苦手なお子さんにとって計算することも問題を理解することもひと苦労です。
そのため、すぐに集中が途切れたり、似た問題でも時間がかかったりしてしまいます。
もちろん、叱ることで集中力が高まるのは確かです。
でも、同時に「叱られるから算数に取り組む」という受け身の姿勢にもなってしまいます。
「好きこそものの上手なれ」ということわざがあるように、算数は好きになってこそ伸びていきます。
まずは、算数を好きになることを目指して「ここまでできるようになったね。」と認めたり、「算数って便利だね。」と面白さに気づけたりするような言葉かけをしてみてください。
問題の難易度と実力のミスマッチ
解ける問題が増えたとき、応用問題にチャレンジすると思いますが、子どもにとってはグッと難易度が上がったと感じることもあります。
そのため、お子さんの実力をできるだけ見極めながら問題を選ぶ必要があります。
お子さんの実力を見るときは、問題を解く際に具体物が必要なのか、どのくらいの早さで解けるのか、という点を見ましょう。
応用問題を解くには力不足だと判断できれば、何度も類題を解くことも重要です。
また、教科書や学校からもらうドリルが難しい場合もあります。
そのときは、市販の問題集を活用しながらレベルを調整しましょう。
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調子がよくても一度決めた学習範囲は守る
発達障害のお子さんは、日によって高い集中力を発揮することがあります。
しかし、一度決めた学習範囲は必ず守りましょう。
お子さんなりに見通しをもって頑張っているので、早くできたからといって、大人が急に学習範囲を広げるのは子供にとってストレスです。
それに、予定していた範囲を終えた瞬間、ほとんどのお子さんは集中力が落ちるので、期待するほど学習効果が得られないことが多いです。
むしろ、早く終わればその分たくさん遊べるということが分かると、モチベーションに代わってますますやる気が上がりますよ。
まとめ:焦らず1歩ずつ算数的な考え方を身につけましょう
・絶対に解ける問題から始める
・イメージを助ける具体的な物を使って説明する
・日常にある算数要素を発見して算数の面白さに触れる
・ネガティブな言葉かけを避ける
・難易度と実力のミスマッチを防ぐ
・調子がよくても一度決めた学習範囲は守る
以上コツと注意点を3つずつご紹介しました。どれか1つでも試していただければ、必ずお子さんの算数に対する意識は変わります。
しかし、焦りは禁物です。
算数に限らず学習は、継続してやっと成果が出るものです。
同じ問題で引っかかることもあるでしょう。
でも、算数の面白さに気づければ、自分で興味を持ち、問題に向き合うことができるようになります。
今回ご紹介した方法は、算数の理解を深める方法であるとともに、算数を好きになるための方法でもあります。
ぜひ、ご活用ください。
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